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あとがきに考察あり、以上のことが大丈夫な人は
最後までご覧頂けると嬉しいです!
俺はきれいごとが嫌いだ。
そんなものがあっても何かが解決する訳ではないし、誰も救われない。
だからこそ、きれいごとを言うやつの気が知れない
「らだぁー!おーい!」
明るい琥珀色の髪をしたやつが俺目掛けて走ってくる。
うるさいし、馬鹿だし、後輩のくせに生意気だし、
俺とは正反対な幼なじみだ。
ドンッと鈍い音がすると同時に、おれの腹部に強い衝撃が走った。幸い、壁際だったため手を付き、頭からの転倒を避けることができた。
「イッてぇ……おい天乃!お前毎回突進してくんな!何回言ったら分かるんだよ…」
「アハハごめんごめん!今日の夜が楽しみすぎてさ!いつもなら帰る時も下駄箱集合だけど、今日はわざわざ迎えに来たんだぜ!感謝しろよ!」
こいつは俺に喧嘩を売りに来たのだろうか? 今日の約束をドタキャンしたくなってきた…
そう、今日は天乃と一緒に学校の七不思議を回る予定なのだ。いつもの俺ならこんな現実味のないことは断るのだが、今回はそうもいかない。
今回関わって来るのは俺の家族だ。 俺の家族は少々めんどくさい。いや、少々なんてレベルじゃないと思う。
俺は小さい頃から気づけば、”支配者”に必要なありとあらゆることを教え込まれた。
だからこそ俺には分かる。わざわざ親がこの学校に俺を入れたがったのも全てはこの、”願いの叶う七不思議”があるからだろう。
全く、たいそう迷惑な奴らだ。一族の復活なんて、俺にはどうでもいい。あんな奴らに情なんて湧くわけない、俺を道具としか見てないくせに、こういう時だけ頼ってきやがって…。
「というかお前、今日の夜に神社に集合って言ってなかったか?てっきり一緒に帰らないのかと思ってた…」
「……あぁッ!そういえばそんなこと言った!なんかもう一緒に帰る前提で話してたwマジごめん!」
「はぁ…お前、そういうとこあるよな…まぁ、お前以外に一緒に帰れるやついないから別にいいけど」
よかったぁなんて言って安堵するお前を俺は心底羨ましいと思う。そんなことで喜べるお気楽な考えが俺にはないから。
…馬鹿みたいだよな、わざわざこんなことに突っかかって。でも、お前には分からないよ、支配者になるための教育の辛さも、闇で生きることの意味も。
「そういえばさ、らだぁは何をお願いするの?」
帰り道、思い出したかのように天乃が口を開く。
「……逆に聞くけど、天乃は何にするんだ?」
「僕?僕はね…
…らだぁの夢が叶いますようにって…」
照れくさそうに、天乃はそう言う。
俺の夢…?なぜそんなことを?
「なんで…?」
「えぇっ…!それ聞く?恥ずかしいんだけど…」
「いいから。」
俺がそう言うと、天乃は決心がついたようで、真剣な顔で俺に話す。
「…僕には分からないけどさ、らだぁにも夢があるでしょ、でも家族のせいでその夢のこと悩んでるんじゃないかな~って思って…あんまり人の家の事情に突っ込むのもダメだと思ったんだけど、最近のらだぁどんどん顔色が悪くなっていってるし、心配なんだ…」
天乃は心配そうに俺を見てくる。
あぁ、お前は本当に、俺の痛いところをついてくるよな。
いつも馬鹿なくせして、こういう時だけ確信をついてきやがって…
「…らだぁ?やっぱり迷惑だった…?」
何も言わない俺に不安を持ったのか、天乃は俺の顔を覗き込んできた。
天乃、やっぱりさ
「良い奴だな、お前。」
俺は笑って天乃にそう伝えた。
「えっ、おまっいきなりだなぁ?!」
驚きながらも照れているのを隠せていない。
「よし、このまま直で学校神社行ってやろうぜ。」
「いや、らだぁ門限あるじゃん!?大丈夫なの?」
「知るか、あんな家なんてどうでもいいし。まぁ追い出せされたりするかもしれないけど…
そんときは助けろよ、天乃。」
「……おう!任せとけ!」
いつぶりだろうか、こんなに心が踊るのは。
固く閉ざされた鳥籠から、不格好ながらも可憐に飛び立つような感覚だ。
「そういや結局、らだぁは何お願いするんだよ?」
「教えなーい」
「はぁ?!ずッる!俺は教えたのにぃ!」
「関係ないですぅ~」
あぁ、どうか
俺らの間の時間に生まれてしまった数年の誤差が
なくなりますように。
あと、出来れば天乃が突進しなくなりますように。
天乃へ、
お前は立派な刑事になったな。ずっと言ってたもんな、刑事になりたいって。
少し昔の話になるけど、2人で学校神社に行った日を覚えてるか?
あの日を境に学校をずっと休んでた俺をお前は心配してたけどさ、あの日、帰ったら家族全員が倒れてたんだ。急いで病院に連絡して救急車が来て、検査したら食中毒で全員息絶えてた。
面白いよな、おそらく捏島が言ってた代償ってやつ?かな?
まぁ、俺にとっちゃこれ以上に嬉しいことはなかったけどな。
その後なんやかんやあって、遠い親戚に引き取られたから、しばらく学校行けなかったってわけ。
学校久しぶりに行ってびっくりしたのは、天乃と俺がクラスメイトになってたこと。お前は知らないと思うけど、俺が願ったことが現実になって、当たり前になってるのは凄い不思議な気分だった。
卒業後、親戚の仕事の関係で引っ越さないといけなくなってお前泣きながら俺に言ったよな、絶対警察になって会おうなって。
お前は俺の夢を警察官になることだと思ってたけど、もう1つあったよ、夢。
そっちが叶ったよ、やっぱりあそこの七不思議は面白いね。
あと、願いの効果か知らないが、突進してくる癖はなくなったな。遠くから銃で打ってきやがって…
こんな長々色々書いたけど、結局言いたいのは
昔から心配かけてごめん、警察になれなくてごめん
俺がこんなんになっちゃってごめん。
自然と目の前が涙で霞む。
震える手を抑え、何とか最後まで手紙を書き終える
封印された今、この手紙が届くことはない。だけれど、それでもいい。書いておきたかった、謝りたかった、あの頃言えなかったことを形にしたかった。
「はぁ…また、いつか会えたらその時は…
親友として接してくれよ、…天乃」
俺はそう呟き、涙を拭って、そっと目を閉じた
ここまで見て頂き、ありがとうございます!
この後は解説と考察になるので、苦手な方はブラウザバック推奨です。
個人的に、ブログでは先輩後輩になっているのに、
呪鬼3では同級生として書かれているのが不思議だったので、考察して書いて見ました!
ブログで書かれていた、天乃刑事が言ってたセリフをそのまま願ったのかなぁーと思いました。
願いの代償として
家族崩壊=邪魔が無くなる→先生になれる
→天乃の願ったことも叶う。という、都合のいい解釈をしています笑
天乃刑事のお願いの代償はなんなのかを考える気力はもうありませんでした…すみません。
上記以外にも勝手に色々な個人的解釈を入れてしまって申し訳ないです…!
考察&解説までわざわざ見て頂きありがとうございます…!コメントにて感想や、ご指摘などを頂けると嬉しいです! 閲覧ありがとうございました( .ˬ.)”