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ぼんやとしか見えなかった人型?を、ようやくはっきり見ることができた。
肌?が濃青色の人型?はひどく懐かしい人物だった。
大好きだった濃青色の毛並みと藍紫色の瞳。
記憶に残ってのいる姿よりも身長が随分伸びていた。
その他は何にも変わらない。
記憶に残るままの姿だった。
少しずつ近づいてくる。
「元気だった?」
何となく言っただけだった。
アイツは気付かなかった。
それで良い。
アイツは何かを持っていた。
両腕で大事そうにそれを抱えていた。
それは花束だった。
ここからでは花の色や本数、種類すらも見分けることができない。
だが、見覚えがあった。
どこでだったか、いつだったか、今は思い出すことができない。
しかし、確実にその花束を知っていた。
知っていたはず…なんだ。
アイツがもっと近づいてくれば、きっと思い出せる。
ふと、そんな事を思った。