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「中条せんぱーい、もう帰るなら俺も……」

「ッ」

「……てか、いないじゃん」

バクバクと飛び出そうなほど鼓動する自分の心臓がうるさい。

もうだめだと諦めかけた私の身体ごと、中条太一は強い力で引き寄せた。

導かれるまま、給湯室へと入り込んだ私を壁側へ追いやった中条太一は、私の姿を自分の身体で隠すように息を潜めている。

目まぐるしく変化する状況に思考が追い付かず、パニック状態の私の唇に人差し指を立てて、中条太一が呟いた。

「静かにしてて」

その言葉に口をつぐみ、コクコクと頷く私の頭にポンポンと中条太一の手が触れ、その後、自分の身体を支えるように壁へと添えられる。

まだ冷静になり切れない頭でも分かった。今、この状況を見られるのが一番マズい。声を潜めてやり過ごすしか、この場から逃れる方法はないと悟った。

しかし、身を隠したと言っても、危険が去ったわけではない。

この給湯室に扉**********************

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