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夢を見た気がする。気分がいい、目が冴えてしまった。
ベッドの正面には 時計がある。夜の11時を指していた。
暇だ、とてつもなく暇だ…そうだ!夜の病院を探検しよう!!
♪〜もしもこぉどもなら〜ともだちぃになろうあくしゅをぉしてからおやつをたべようだけどちょっとだけどちょっと…なんだっけ?
わくわくしながら 扉を開ける。
誰もいない広い廊下を駆け抜けて、階段まで行く。
今は3階にいるから〜
どぉちぃらぁにぃしよおかな?
てぇんのぉかぁみぃさぁまぁのいうとうり!
指は2階 を指していた。
3階から2階へと降りる。
ある一部屋に電気がついていた。
あれ、夜なのに おかしいな?看護師さんたちは1階にいるはずなのに?
ドアに耳をへったりとくっつけて耳を澄まして聞いてみる。
これぇ〜盗み聞きってやつ?はじめてかも〜!
…あれ?おとーさんとおかーさんの声がする…
おとーさんは怒ってて、おかーさんが泣いてる…?
モウ、タスカラナインデスカ…? グスッ
おかーさんの声だ。
おいッナントカシロョ……ナンデ、ナンデアイツダケ…アト、アト、イチネン?
おとーさんも泣き出した。
担当のせんせーが
シュウくんにおつたえしますか…?
おかーさんが
いいです、最後まであの子には笑っていてほしいから
言いません、あの子の前で言えません。
なにをいっているの…?せんせーもおかーさんもおとーさんも
最後?
あと一年?
助からない…?
ナンノコト?? わからナイ…おしえて
ボクには秘密?
なんで…?
ガタッバタッ スタスタ
スリッパが床に擦れる音がする。
涙が流れる。ぼろぼろと
きっと悪い夢を見ているんだ。
一気に階段を駆け上がって、自分の病室へと戻る。
扉の前でへとりと座り込む。
乾いた笑いがこみ上げる。
ははっいかなきゃよかったな…
まだ息が荒い。きっと 階段を駆け上ったせいだ、
ぼくは何も悪くない。きっと
多分 病気だって良くなるよ、
そのうちお外で遊べるよ、
遊園地いって、水族館 行って 友達と 草 っぱらで鬼ごっこして
少し 喧嘩して仲直りしてその後 一緒に笑うんだ。
ぼく、まだ何もしてないよ
記憶にあるのは病院の景色 、お母さんの歌と絵本の世界だけ、
ボソッ まだ外の世界、なんにもしらないよ?
ベットに戻る。
抗うことなく落ちていく深い眠りに……
おしまい、
つづく。