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「施術は夕方だろ?まずは君を連れて行きたい所があるんだ」
そう文也は言った、1時間後には仁川空港があるソウルを抜けて乙旺里リゾート海水浴場に向かった
.:・.。. .。.:・
「わぁ・・・素敵」
「ここに今夜は泊まるよ」
乙旺里リゾートホテルにハイビスカスが咲き乱れる、ロビーでチェックインを済ませ、文也と藤子は続き部屋で隣になる、ほぼ新婚用のスイートルームに近い、客室に案内された
藤子はその部屋を見て目を見張った、シンプルでとても素敵な部屋だった、豪華な部屋のバルコニーからはホテルの三つのプールとジャグジーと紺壁の海が見渡せた
藤子は海辺の空気を胸いっぱいに吸い込み、肌を撫でる潮風を楽しんだ、思わず彼の治療のために来た目的を忘れそうだ
コンコン・・・「入ってもいいかな?」
声がする方に目をやると、入り口からこちらを見つめる彼の姿があった、すでにジーンズから黒のタンクトップとアクアマリン色のスイムトランクス姿に着替えている、タンクトップからは広い肩や逞しい胸板と、二の腕が強調されている
スイムトランクスに包まれた、しなやかな腰まで無意識のうちに目で辿ってしまい、藤子は口の中がカラカラになるのを感じた
「文也君・・・ねぇ・・・やっぱり悪いわ、こんな素敵な所に泊まれるなんて、やっぱり宿泊料をあなたにお支払いするわ」
「そんなことは考えなくていいんだよ、君は親切に僕の肌治療院を予約してくれたんだから、まずはのんびりしようよ、水着に着替えてきて階下で待っている」
藤子は笑顔で言った
「分かったわ」
文也君が水着を持ってきてと言ってたのこの事だったんだ・・・荷物の中から水着を取り出し、藤子は考えていた、今までの彼は非の打ち所のない紳士として振舞ってくれているものの、藤子を見つめる時の獲物を狙う猛禽類のような眼差しは、隠すつもりはない感じだ、終始藤子は文也に情熱的に熱く見つめられ、どういう訳かその視線が心地よく感じていた
今にも燃え上がりそうな情熱の予感は、もはや無視しようとしてもしきれない
―バカね・・・彼は6歳も年下・・・そして私は今年30歳・・・お友達ならいいと思ったばかりでしょ―
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それでもお男友達と二人っきりで海に泳ぎに来るのはあり?なし?・・などと考えながら水着は健康的でいやらしくない、サーモンピンクのビキニをトランクから取り出した
その上からメッシュのパーカーを羽織り、日焼け止めと大きなサングラス、白いつばの大きなキャップを被った
彼に心を奪われなければいいだけの話よ・・・自分は男性に恋をしてしまうと全てをささげたくなる、信二の一件から恋に生きてしまう自分を正そうと誓ったばかりだ、自分がしっかりしていれば文也君に恋をすることもない、そう自分に言い聞かせ、バスタオルの入ったバックを手に取って部屋を後にした
.:・.。. .。
文也はプールサイドの長椅子に横になり、スマホの仕事のメールに返事を打ちながら藤子を待った
文也が何日も考えてプランを練ったこの旅が、姉と弟の様な二人の関係を恋人に変える一つの転機にしたかったからだ
彼女はあきらかに自分を弟のように扱っている、今回の旅行は今の所は彼女にとって自分は敏感肌に悩んでいる可愛い弟みたいな存在だろうけど、彼女の弟を卒業し、なんとか一人の男として見てほしかった
なので藤子を会社から遠く離れた場所に連れて来ることで、二人の絆を強くしようという計画だ
そのためには顔面の肌の施術などたやすいことだ、精神的にも、そして肉体的にも性的な意味でも、自分の童貞を卒業する相手は、もう藤子ちゃんしかいない、彼女以外の女性なんか考えられない、文也はそう思っていた
視線を上げると白のキャップをかぶり、大きなサングラスをした色白な女性の姿が目に入った
帽子と同じ白のメッシュのビーチパーカを羽織っているが、その下のピンクの水着とセクシーな体は隠れてはいない、肩の所で揺れている艶やかな茶色の巻き毛・・・その女性が藤子だと気付いた
彼女は華やかだけど、いつもはオフィスのブラウスにかっちりとしたタイトスカートに身を包んでいたので、服を脱いだ彼女の姿は、これまで想像することしかできなかったのだ
声を殺して悪態をつきながら、文也は藤子の魅力的な姿に見とれた
#バスケ部
伊織
69
蒼乃 月
828
コメント
1件
わあ、第46話読みました!海辺のリゾートの空気感がすごく伝わってきて、藤子さんの「バカね…」って自分に言い聞かせる場面に胸がぎゅっとなりました。文也くんの「弟を卒業したい」という切実な思いもじわじわ来ますね。二人の距離感が少しずつ変わっていく予感がたまらないです。続きが気になります!