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処理を終え、
個室を出たあとは合六さんらがいられる方へと戻った
合六「冬橋、それ食え。あいつ残しやがった。」
合六さんは安藤さんが残した料理を冬橋に食べるように
命ずる。
冬橋「いただきます」
冬橋は席に腰を掛けスプーンを逆手で持っては出された 料理を
子供のようにガツガツと喰らいついた。
合六「〇〇もどうだ?」
私も声を掛けられ、頬についた血を親指で拭い、
『頂きます』と冬橋に続いてそこら辺に置かれていた雑な椅子を持って冬橋の横に運び
その席に腰を掛けた。
出された料理をスプーンで掬い、口の中に運びながら横目で冬橋を見る。
合六「相変わらず食い方汚ねぇな、直さないと上にいけないぞ?」
冬橋「うまいです」
合六「そうか、もっと食え食え」
汚い食べ方のせいで口周りに少しつく食べこぼし。
『…冬橋、こっち向いて。』
気になった私が彼の名を呼ぶと、
冬橋はゆっくりこちらに顔を向けた。
スプーンをテーブルに置き、内ポケットからハンカチを取り出して
無言のまま冬橋の頬に触れ、口元の汚れを拭い取った。
冬橋「……子供扱いすんな」
短く吐き捨てるような声。
手を離すと、冬橋は露骨に不機嫌そうな顔でこちらを睨んでくる。
『食べ方が汚いのが悪い』
そう呆れたように言い捨て、
私はハンカチを丁寧に畳んで内ポケットへ収めようとした。
合六「〇〇は長女だからな。つい気にかけたくなるんだろう」
…しかし、
合六さんのその言葉が不意に落ちた瞬間、
私の手は、そこで静止した。
『…別に。冬橋を気にかけた訳ではありません』
わずかに間を置いて短く否定し、私は再度手を動かした。
ハンカチを内ポケットへ押し込み、
スプーンを取り上げ料理を掬った。
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