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ああ、もう……この話、心がじんわり温かくなりました。雨の日に迎えに来てくれる勇斗の優しさも、くしゃみを隠そうとするけど結局バレちゃう仁人の可愛さも、ホットココアのシーンも全部好きです。特に「今日は褒める日?」「毎日だよ」のやり取り、仁人が照れて小突くところが愛おしすぎて悶えました。何気ない日常の積み重ねが宝物だって言葉、本当にその通りだなって。ゆずなさんの描く二人の距離感、すごく好きです🫶
第14話 雨宿りのホットココア
雨の中、勇斗と仁人は一つの傘を差して歩いていた。
肩が時々ぶつかる。
そのたびに仁人は少しだけ照れくさそうに歩幅を合わせた。
「寒くない?」
勇斗が尋ねる。
「平気。」
「本当に?」
「うん。」
そう答える仁人だったが、小さくくしゃみをした。
「……っくしゅ。」
勇斗は思わず笑う。
「平気じゃなさそう。」
「これは……雨のせい。」
「帰ったら温かいもの飲もう。」
「ココア。」
仁人がぽつりと言う。
「飲みたい。」
勇斗は優しく笑った。
「じゃあ、今日はホットココアにしよう。」
◇◇◇
家に着くと、二人は玄関で濡れた傘をたたむ。
「ただいま。」
「ただいま。」
仁人は上着を脱ぎながら大きく息をついた。
「結構降ってた。」
「靴下少し濡れちゃったね。」
「……うん。」
「先に着替えておいで。」
「分かった。」
仁人が部屋へ向かうと、その間に勇斗はキッチンへ立った。
小鍋に牛乳を入れ、弱火にかける。
ココアパウダーと少しだけ砂糖を加え、ゆっくり混ぜる。
甘い香りが部屋に広がった。
◇◇◇
「いい匂い。」
着替えを済ませた仁人がキッチンを覗く。
「もうすぐできるよ。」
勇斗はマグカップを二つ用意し、温かいココアを注いだ。
「はい。」
「ありがと。」
仁人は両手でカップを包む。
「温かい。」
一口飲むと、ほっと肩の力が抜けた。
「おいしい。」
「よかった。」
勇斗もココアを飲みながら笑う。
「今日は迎えに行けてよかった。」
「……。」
「玄関見たら傘が一本残ってたから、もしかしてって思って。」
「忘れた俺が悪い、」
仁人は少し反省したようにうつむく。
「でも、」
勇斗は穏やかに首を振る。
「迎えに行けたから、それでいい。」
「……ありがと。」
仁人は照れくさそうに笑った。
◇◇◇
ココアを飲み終えると、仁人は立ち上がった。
「夕飯作る。」
「今日は俺も手伝う。」
「いいの?」
「もちろん。」
二人は並んでキッチンへ立つ。
「今日は何作るの?」
勇斗が冷蔵庫を覗く。
「昨日買った鮭がある。」
「じゃあ鮭にしよう。」
「あと、肉じゃが。」
「昨日の残り?」
「違う。」
仁人は少し得意げに笑う。
「新しく作る。」
「えっ。」
「食べたい。」
勇斗は目を輝かせた。
「仁人の肉じゃが好き。」
「……知ってる。」
そう言いながらも、仁人の頬はほんのり赤い。
◇◇◇
しばらくすると、キッチンには湯気が立ちのぼる。
「勇斗。」
「うん?」
「味見。」
仁人が小皿を差し出す。
勇斗は一口食べると、ふっと笑った。
「おいしい。」
「ほんと?」
「うん。」
「……よかった。」
仁人が安心したように笑う。
その笑顔を見て、勇斗は思わず見とれてしまった。
「何。」
「笑ったなって。」
「……。」
「その笑顔、好き。」
「勇斗。」
「うん?」
「今日は褒める日?」
「毎日だよ。」
「……もう。」
仁人は照れ隠しに勇斗の腕を軽く小突く。
勇斗は楽しそうに笑った。
窓の外では、まだ雨が静かに降り続いている。
けれど二人の家の中は、温かい料理の湯気と笑顔で満たされていた。
何気ない一日。
そんな一日が、二人にとって何よりも大切な宝物だった。
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