テラーノベル
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外の世界、正確に言えば私がいた国があの後どうなったのか。それをアルフレッド様からサラッと教えて貰った。
「全部終わらせてきたから、ディアンナを縛るものはなにもない。この場所で好きに生きていいんだ」
「アルフレッド様……」
「羊妖精の時のようにアルで良いよ?」
「それは……その恥ずかしいというか」
「ああ、ディアンナが可愛い。どうしよう心臓がバクバクして止まらないんだけれど」
アルフレッド様は以前よりも愛情表現が大袈裟というか、分かりやすいぐらいに私に伝えようとしてくれている。私を気遣って──というよりも羊妖精の時のダイレクトな気持ちが引っ張られているらしい。
(外に出て……?)
ふと考えてみたが、この場所は特別だ。そして神の系譜である私の存在は国にとって有益となる。それにアルフレッド様も神獣の世話係という肩書きがあった方だ。
そんな二人がこの場所以外で国家権力の庇護下無しに生きられるか。
(難しいわ。また国や政治に利用されるのは嫌……。穏やかにのんびりと暮らしたい)
「ディアンナ?」
「私、今の生活が好き。朝起きたらアルフレッド様がいて、一緒の時間も増えて嬉しいの」
「うん」
「買い出しや散歩も好き。カフェの新作メニューを食べて感想を言い合うのも、もっとしたい」
「うん」
「手を繋いで歩くのも」
「うん」
「誰も私たちのことを特別だって思わないで接してくれるのも」
「うん、そうだね」
「だから……私はこのままがいい」
「うん。僕も、このままディアンナと一緒の生活がいい」
ポロポロとこぼれ落ちる涙をアルフレッド様は拭ってくれた。まだ心の傷は完全に塞がっていないけれど、私とアルフレッド様の気持ちが同じだったことが嬉しかった。
「アルフレッド様と一緒がいい。一緒に生きたい」
「うん。そうしよう」
コツンとお互いに額を付けて、お互いの思っていることをポツポツと話す。
少しずつ。
少しずつ。
寄り添い、支え合う。
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コメント
1件
第18話、読みました。お互いの居場所を確認し合う静かな温かさがとても良かったです。「このままがいい」という選び取った日常——外の世界と神の系譜という背景があるからこそ、その選択に重みがあって。アルフレッド様の「心臓がバクバク」が可愛くて笑いました。ゆっくり寄り添い合う二人のペースが、このお話らしくて好きです。