〚 R 〛 誘惑大作戦

作戦開始。

作戦パート、少し長め。

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side 🍼

いざ、決戦の日。

こんな日に限って、天気は皮肉なほどに曇天。

特に予定もないし、2人ともオフだからという理由でリビングでゆっくりすごす。

そんな中、俺は今からフッカにもらった作戦を実行しようとLINEを開く。

メッセージ上にはフッカから大量に送られてきた作戦内容がズラっと並ぶ。

まずは1つ目。

手始めに簡単そうなやつからいこう。

作戦1、褒める。

フッカいわく、とにかくヒカルを褒めろ！と。

褒めたおしたら気分がよくなって、誘いにノりやすくなるのでは、とさ。

普段から褒め合うとかお互いにしないから、簡単かと言われれば微妙だけど。

真正面で褒めるとかめちゃめちゃ恥ずい….でも、やってみるしかない。

渡 ) ……ヒカル？

岩 ) ん？どうした？

渡 ) ヒカルって………..優しいよな。

……なに言ってんだ、俺。

岩 ) は？なに急に。笑

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎頭でも打ったか？？笑

そりゃ、そうなるわな。

突然そんなこと言われてもって感じだしな。

渡 ) …やっぱなし。なんでもない。

初っ端からミスったから褒めたおすのは却下。

作戦1：俺のシンプルミスで失敗。

作戦2、デートに誘う。

もちろん、どこか予約してるとかはないから近くの公園までとか、ぶらぶら適当に散歩がてら歩けば少しはデートっぽくなるだろう。

並んで歩いたり、手……つないだり。

そして、帰って来たらヒカルが俺にキスしてきて……..。

とか、1人で勝手に妄想しながらヒカルに声をかける。

渡 ) ヒカル、デートしねぇ？

岩 ) え？いつ？？

渡 ) 今から。

岩 ) こんな天気の中？

作戦に夢中になりすぎて気づかなかったが、外はいつのまにか雨が降っていた。

しかも、結構な量。

ほんとにツイてない。最悪。

渡 ) ……ごめん、やっぱいいや。

岩 ) デートしたいなら、外ですんのはまた今度な。今はお家デートみたいなもんだし、これじゃダメ？ ( 優笑

今の微笑みは、ずるい。

YESしか答えらんねぇじゃん。

渡 ) ……これでいい。 ( 照

岩 ) ん、よかった。笑 ( 頭撫

作戦2：天に恵まれず、失敗。

まぁ、自然には抗えないから仕方ない。

こんな言うのは癪だけど、表情といい、発言といい、彼氏が相変わらずかっこよくてもっと好きになった。

くそっ、ヒカルにしてやられた。

作戦3、バックハグ。

立ってる状態だと身長差的に俺がヒカルにしがみついてる感あってなんか嫌だから、ヒカルが座ってるときにしよう。

そう思って後回しにしてたが、ちょうど今、ヒカルはソファに腰かけテレビをながめてる。

チャンスだ！

ゆっくり近づき、あと一歩の瞬間。

岩 ) …..んしょ。 ( 立上

渡 ) うわぁあ、？！！ ( 大声

岩 ) おわっ、！？びっくりした…。どうした、ショウタ。 ( 驚

もう少しのところで急にスっと立つ。

渡 ) おっ、脅かすなよ…！ ( 心臓 ﾊﾞｸﾊﾞｸ

岩 ) いやまさかショウタが真後ろにいるとは思わなくて…すまんな。 ( ﾍﾟｺｯ

俺が理不尽にキレたものの、素直に謝られると申しわけなくなる。

渡 ) あっ…いや、こっちこそごめん。急に大声出して…。 ( ﾍﾟｺｯ

岩 ) ん。

どことなく変な空気が流れる。

渡 ) …..で、なんで立ったの。

岩 ) トイレ行こうと思って。

渡 ) …….そ。どぞ。

作戦3：意図しない結果に終わり、失敗。

作戦4、膝枕してひたすら甘える。

個人的にこれキツイ。

膝枕はよくやってるからいいけど、甘えるとか…..恥ずかしすぎて俺なら絶対むり。

だけど、それが逆にヒカルにとっては刺さるかもしんねぇし、やってみる価値はありそう。

トイレから帰って来たヒカルは、さっきの場所に戻る。

俺は自然と横に座り、体を倒してヒカルの膝に頭を乗っけた。

岩 ) ……ショウタ？？ ( 下 顔向

渡 ) …ねむい。寝かせて。 ( ｷﾞｭｯ

1ミリも眠くない。

けど、これが今の俺にできる最上級の甘え。

ヒカルの割れた硬い腹筋に顔をうずめ、腰に腕を回して抱きつく。

…..が、しかし。そう上手くはいかず…。

岩 ) 寝るんだったら、ここ1人で使う？俺いても邪魔でしょ。 ( ﾋﾟｯ

そう言い、俺に気をつかってわざわざ見てたテレビを消す。

渡 ) …大丈夫、ヒカルの膝の上で…。

岩 ) いやいや俺が退いたら広々と寝れるだろ。それに、なにか掛けるもの持って来るから。

ヒカルの優しさゆえなんだろうけど、今の俺にとってはそれは違う…。

渡 ) …..やっぱ、ベッドで寝るわ。 ( 起上

岩 ) おぅ、そうか？？じゃあ、なるべくうるさくしないようにするから。おやすみ。 ( ﾁｭ

あぁーーー！もう！！！

そういうことはサラッとしてくれんのに、なんで誘いにはノらねぇんだよ！！

作戦4：ヒカルの優しさに負け、失敗。

作戦5、きわどい服を着る。

もうこうなったら、ヒカルが誘いにノるまでなんだってしてやる。

俺の負けず嫌いな部分が出て、謎に火がついた。

寝室のクローゼットにあるヒカルのロングTシャツを1枚手にし、自分が着ていた服類を全部ベッドの上に脱ぎ捨て、代わりにそれだけを着る。

渡 ) うわっ…やっっば、これ……。 ( 耳 真赤

姿見に映る自分の格好を確認して、ますます恥ずかしさが込み上げてきた。

ぶかぶかで俺にとっては大きいけど、ちょっと丈が短いのか下もギリ見えるか見えないかくらい。

少し動けばおそらく見えるし、腕なんか上げようもんなら……。

てか、全部脱いだせいで擦れるし、風通しよすぎてスースーするし…。

渡 ) ……やべぇかも。 ( 顔 熱持

丈をぐいっと引っぱり、なるべく下が見えないよう隠しながらリビングに向かう。

渡 ) ひ、ヒカルっ。

岩 ) な、に………してんの、？

俺の格好を頭からつま先まで一通り見て、呆気にとられたヒカルはしばらく無言になる。

気まずい空気に耐えられず、目をそらす。

岩 ) ……ショウタ。

渡 ) えっ、ぁ………なに。 ( ｿﾜｿﾜ

岩 ) なんでそんな格好してんの。

渡 ) いやっ、まぁ……そのっ。 ( ﾓｼﾞﾓｼﾞ

岩 ) 素足丸出しで、風邪ひくぞ。

渡 ) …は？

マジかこいつ。

てか風邪ひくぞ。ってなに？俺のお母さんかよ。

母性本能がくすぐられるってやつか？

….いや、ヒカルに限ってそれはないだろう。

岩 ) ってか、それ俺の服だし。間違えてんぞ。…..まだ寝ぼけてんのか？

寝てねぇし。俺、寝起きでもそこまでじゃねぇよ。

そんくらい自分で判断できるわ、ばーか。

作戦5：変な心配だけされて、またも失敗。

なんの反応も示さないヒカルに、ほぼ諦めの境地に陥っていた。

そろそろ、俺も体力の限界かも……。

やっぱ慣れないことすると、精神的にキツイな。

…つーか、ヒカルもヒカルだよ。

ここまでしても反応なしとかありえんの？？

え、俺ってそんなに魅力ない……？

それともヒカルがやべぇの？？

もう手強いとかのレベルじゃねぇよ、ここまできたら。

渡 ) なんで上手くいかないんだよ…っ。 ( ﾎﾞｿｯ

今まで、どの作戦もことごとく失敗。

これでも、フッカの作戦通りにしてんだけど…。なにがいけねぇんだろ？

呆れつつも、次はどうしようかとまたLINEを開く。

フッカからもらったやつをランダムでやってたから、自分がどれをやったのか分からなくなってきた。

悩んでると、なにかを怪しむヒカルが俺のそばへと近づいてくる。

岩 ) ショウタ、ずっとスマホ見て何してんの。

渡 ) いっ、いや…..なにも。 ( 背向

岩 ) は、何その反応。 ( ｸﾞｲｯ

渡 ) ……っ、！！ ( 驚

ヒカルに強引に回転させられ、勢いでスマホが手から離れる。

飛んで行ったスマホを取るなり、開かれてたLINE画面を見て眉間にしわを寄せる。

岩 ) は？？誰と連絡してたの？

渡 ) えっ、？やっ……ふ、フッカ…だけど、？

岩 ) 俺らのオフの日にわざわざ？

ん……？？なんか予想もしてない展開になりそうだぞ………？？？

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