「行ってきます」
玄関で今日もつぶやく。
どうせ返事なんてこないからどうでもいい。
外に出ると、腹が立つほど朝日が眩しかった。
今日から高1か…入学式…だる…
今日もクソ 明日もクソ 明後日も その次もその次も 毎日クソだ。
「あーあ」
世界って、なんのために存在すんだろ
☆ ☆ ☆
「1組1番!藍崎百合!」
私は苗字が「あい」から始まるから出席番号は必ず1番。1組ともなれば最悪だ。
仕方なく「はい」と返事して立ち上がる。
朝の「行ってきます」よりは声出したと思うけど、担任と思わしき男は睨むようにちらりとこちらをみた。
無言で睨みつけていると、男は小さく溜息を吐いて名簿に視線を戻した。
「2番!青山透!」
「はい」
2番は隣の席。眼鏡をかけた真面目そうな人だ。
次は3番。後ろの席になる女子だ。
「3番!……柚夏!」
あ…やば、苗字聞きそびれた。3番4番は同じ班になるはずだから苗字覚えとかなきゃいけないのに…
「はーーーい!!!!!!!!」
マイクで喋ってる担任よりでかい声が響いた。
私は思わず2番を通り越して横を見た。
明るめの短髪に薄く日焼けした小麦色の肌。
目の色も同じ茶色だから髪は地毛なんだろうな
「…?」
視線に気がついたのかこっちを見上げてくる。
よく見ると、整った顔立ちをしている。
直後なぜかこいつは急に笑い始めた。
「…何?」
イラッとした私は聞く。
「そんな顔してるとモテないぞっ」
「は?」
無意識に私はこいつを睨みつけていたらしい。
「笑っといて損はないんだから笑っときな」
誰のせいだよ。
「ずーっとその顔してて疲れないの〜?」
こっちのセリフだわ。
「無視は悲しいなぁ〜」
こいつマジで一発殴ろうかな…
ただ初日生徒指導行きはだるいからやめとこ
無視は悲しいということで顔は前に向けたまま無言で中指立てとく。
「ふぃ〜辛辣〜w」
こいつも笑いながら前を向く。
私これからこいつと同じ班になるの…?耐えれる気しないんだけど…
「以上入学生!314名!」
そんなことをしてた間に全生徒の指名が終わったらしい。
結局学年どころかクラスの人の名前も聞けなかった。わかってんのは同じ班の女子が柚夏って名前なことだけ。
わからない。コイツが。
今までで1番理解不能な奴だった。
今までで1番奇妙な入学式だった。
第1話投稿しました〜
投稿ペース早くね?って思う人もいるかもしれないんですけど、9月になったら一気にペースダウンすると思います。
だから今のうちにできるだけ投稿するんでよろしくです。
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おつみふ〜
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