テラーノベル
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第4話
喉元を刺し穿つ強烈な痛みに、視界が真っ赤に染まる。
「ガ、アアアアッ……!」
体に注入された劇薬が、死に絶えかけていたオルフェノクの細胞を狂乱させ、全身の血液を沸騰させる。右腕どころか、全身からバサバサと灰色の砂が吹き出した。命の砂時計が、狂ったような速度で逆流し、零れ落ちていく。
だが、引き換えに手に入れたのは――圧倒的な「速度」。
俺の体はスネークオルフェノクへと変貌を遂げ、その姿を保ったまま、銀色の「偽カイザ」へと肉迫する。
「ターゲット、急激な出力上昇――」
機械的に対応しようとする模造品。その首を、俺は力任せに掴み上げ、廃バスの側壁へと激しく叩きつけた。金属が悲鳴を上げ、車体が大きく傾く。
「草加の真似事してんじゃねえよ……! アイツの嫌味さはな、そんな安っぽいプログラムで再現できるもんじゃねえんだよ!」
蛇の如きしなやかな手首の返しで、カイザブレイガンを払い落とす。超高速の世界の中、俺の爪が、音を置き去りにして模造品の胸部装甲を刻む。激しい火花が散り、青いフォトンブラッドが吹き出す。
「残り……5秒……!」
加速の代償は重い。視界の端から意識が黒く塗りつぶされていく。だが、俺は踏みとどまった。
「ハル! 走れッ! 『菊池』って看板のクリーニング屋に行け! そこに……お前を人間として叱ってくれる、気の強い女がいる……!」
「海堂さん……! でも、あなたは――」
「言ったろ! 明日まで生き延びろって! 行けぇッ!」
ハルが涙を拭い、夜の闇へと走り出す。それを追おうとした模造品の脚を、俺は死力で掴み返した。
「……タイムアップだ」
10秒の領域が終わり、猛烈な拒絶反応が俺を襲う。変身が強制解除され、俺は泥のように地面へ倒れ込んだ。全身の皮膚がひび割れ、指先は原型をとどめないほど砂化が進んでいる。
立ち上がった模造品が、冷たい黄色い複眼で俺を見下ろし、拾い上げたカイザブレイガンを突きつけてくる。
「障害の排除を完了。目標の追跡を再開します」
トリガーに指がかけられる。
(……へっ、ここまでか。巧、木場……ようやくお前らのところへ行けるのかねぇ)
死を覚悟し、ゆっくりと瞼を閉じた、その時だった。
――ズドンッ!
夜空を切り裂いて飛来した赤と銀の「何か」が、模造品の胸を正確に撃ち抜いた。
「ガ……ギギッ……!?」
吹き飛ばされる模造品。俺は薄開きの目で、その攻撃が放たれた闇の先を見つめた。
そこに立っていたのは、見覚えのある流線型の赤いバイク――自動変形型可変バイク『オートバジン』。
そして、そのシートに腰掛け、怠そうに缶コーヒーを弄んでいる、聞き覚えのある影。
「……たく。手のかかる泥棒猫だな、海堂」
ボサボサの髪。不機嫌そうな目つき。
猫舌の男が、呆れたようにため息をついた。
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風民
51
サッピーの小説室
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レド(破壊神)
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コメント
1件
いやあ、第4話、めちゃくちゃ熱かったですね……! 海堂さん、最後まで泥臭くてカッコよかったです。「草加の真似事」って啖呵、彼の不器用なプライドが滲んでて痺れました。それにしても、あのラストで現れた赤いバイクの影……猫舌の男ってまさか。伏線が一気に回収されそうな気配、すごくワクワクします。死を覚悟した直後の展開、読んでて鳥肌立ちました。続きが気になって仕方ないです!