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第5話「ハァッ……ハァッ……!」
夜の静寂を切り裂き、佐藤ハルはがむしゃらに走っていた。
恐怖で脚がもつれ、何度も転びそうになる。だが、背中を押すのはあの蛇の怪人――海堂の、掠れた叫び声だった。
『『菊池』って看板のクリーニング屋に行け! そこに……お前を人間として叱ってくれる、気の強い女がいる……!』
暗がりの中にポツンと浮かび上がる、古びた看板。『西洋洗濯舗 菊池』。
ハルはすがりつくようにガラス戸を叩いた。
「た、助けて……! 助けてください!」
ガタゴトと奥で大きな音が響き、不機嫌そうな顔をした女性――園田真理が鍵を開けた。
「ちょっと、こんな夜中に何……って、あなた、その顔!」
ハルの肌は青白さを通り越し、所々が灰色に変色していた。それを見た真理の表情が瞬時に強張る。かつて嫌というほど見慣れた、オルフェノク化の兆候。
「入って! 早く!」
真理はハルを店内に引っ張り込むと、素早く鍵を閉め、表のカーテンを下ろした。
「海堂は……海堂直也はどうしたの!?」
「海堂さんは……僕を逃がすために、あのロボットみたいな人と……!」
「あいつ……また勝手なことして……!」
真理は唇を強く噛み締め、ハルの肩を抱き寄せた。温かい手のぬくもりが、震えるハルの体に伝わる。
「……怖かったでしょ。でも、もう大丈夫だから。私は園田真理。ここなら安全よ」
「僕、化け物になっちゃったんです。スマートブレインってところに『王のゆりかご』にされるって……」
真理の目が見開かれる。その言葉の意味を、彼女は痛いほど理解していた。オルフェノクの王。かつて乾巧たちが命を懸けて眠らせた、すべての元凶。
その時――。
ドォンッ!!
凄まじい衝撃音が店内に響き渡り、入り口のガラス扉が粉々に砕け散った。爆風と炎が店内を吹き抜ける。
「きゃああっ!」
「真理さん!」
煙の向こうから、踏み込んでくる重厚な足音。それは、1体や2体ではない。
黒塗りの高級セダンが店の前に何台も横付けされ、そこから降り立ったのは、黒いスーツに身を包んだスマートブレイン社の特殊部隊。そして、その中央から歩み出てきたのは――
「お久しぶりですね、園田真理さん。……いえ、流星塾の『生存者』と言った方がよろしいでしょうか」
冷徹な笑みを浮かべた、スマートブレインの刺客。その背後には、数体の次世代型ミューズ・プロトが控えていた。
「ハル君を渡してもらおうかしら。彼は我が社の未来……『王』を再誕させるための大切な器なのですから」
「ふざけないで!」
真理はハルを庇うように立ちふさがり、足元に転がっていた鉄パイプを固く握りしめた。
「この子はモノじゃない! 人間よ! あんたたちの思い通りには絶対にさせない!」
「威勢がいいのは相変わらずですね。ですが……力のない正義ほど、見苦しいものはありませんよ」
刺客が静かに手を挙げ、ミューズ・プロトたちが一歩前へ踏み出す。
退路のない絶望的な状況の中、真理はハルの手を強く握りしめた。
(巧……もう、貴方は居ないのに……!)
(えっ!?)
夜の街に、不穏なエンジンの回転数が低く響き始めていた。
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風民
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サッピーの小説室
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レド(破壊神)
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コメント
1件
うわあああ第5話読み終えたよ!!😭💕 もう最初から最後まで息つく暇なかった…!! ハルくんが必死に逃げて真理さんに助けを求めるシーン、胸が締め付けられたよ…。そして「この子はモノじゃない!人間よ!」って真理さんが叫ぶところ、めっちゃグッときた…! 過去に巧さんっていう大切な人を失ってるのに、それでも諦めない強さがかっこよすぎるよ…!! スマートブレインの刺客の冷たい笑みもヤバかったし、次回どうなるの!? 続きが気になりすぎて夜しか眠れない…!! 赤虎さん、今回も最高にエモい展開ありがとうございます🔥🔥🔥