俺は昔から運が良かった。
事故に巻き込まれたときも、殺されかけたときも、怪我は負ったものの短時間で治ったり、
友達も我ながら嫌われるタイプと思っていても、
無視も陰口もされなかった。
そんな俺を見て母は「お前は神様に好かれているのね」とつぶやいた。
母はそのまま俺の兄弟について話し出した。
俺は元々双子だったそうだ。
たしかに隣にいるはずの誰かがいるはずなのに小さい頃からいなくて寂しく感じた。
双子ゆえに予定通りに出産することができず、早産してしまい、
俺の片割れは体が小さすぎたため死んだ。
ときどき俺はこんなに運がいいことに嫌気を感じてしまう。
そのまま軍学校にも上がってよく分からないまま首席を取ってしまい、
実力テストの際も適当に打った弾が当たったり、
相手が何もないところで転んだり、
学力テストでは勘で書いたところが全部当たっていた。
そんな成績を出しておきながら何故か周りは恨みもせずに仲良くしてくれたりした。
俺はそれに対して怒ったこともある。
けどみんな笑って許してくれた。
その度に自分の運を恨みながら、こんな日々を退屈にも感じていた。
たまたま上級生との合同練習の時、たまたま学校1の先輩と組むことになった。
よく「ひとりでいる天才」「とても怖いやつ」と噂される先輩だった。
周りには同情されたり、慰められたりしたけど俺にとって先輩はそばにいて生きやすかった。
先輩に会ってから毎日が楽しかった。
先輩の卒業が近づいた時、俺はいつも甘えているから、せっかくだし最後にお願い事を聞いてやろうと思った。
プレゼントまで用意した。けど渡す前に戦争が始まってしまった。
噂を聞くにこちらの負け確らしい。
俺たちも戦場へ駆り出されることになった。
先輩と一緒だから心強い、けどついに俺と先輩以外は戦死した。
多分もうすぐ俺も死ぬ。先程先輩を庇って弾を受けてしまった。
とても楽しかった。最期に先輩に恩返しができて幸せだった。
なんて思っていたのに、結局俺は死んでないし、周りは全滅してるし、俺はたまたま通った近隣国の兵に拾われて充実した生活をしているし、先輩は他国の幹部になってるし、
考えれば考えるほどムカついてくるから、
俺は俺のやりたいことをやろう。
結論俺は先輩の国に行き、先輩を一発殴るために幹部になりました。
没☆
はい……ほんまにすみません没ですね…