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狭山さんは開口一番言った。
「いきなりすみません、あかりさんと連絡が取れました!」
え、金谷さん見つかったの!?
「心当たりにいたんですか!?」
「たぶん……その、心当たりのホテル、たくさんあったんですが、条件当てはまるホテルに片っ端から電話して言付けしまくったんですよ。で、さっきあかりさんから言付けを聞いたって連絡が来て」
「と、とりあえず、金谷さん無事なんですね、よかった」
そう言って、俺は気づいた。ん、金谷さんが無事なら、一番に電話で連絡するのは、俺じゃなくて金谷家の誰かじゃない?
俺が気づいたことを裏付けるように、狭山さんは言った。
「あの。わざわざお電話したのは、和泉さんと千歳さんに、僕たちの味方になってほしいからなんです。協力していただけませんか?」
「協力? え、それはもちろん……」
え、そりゃ味方になりたいけど、今回の件、俺達に何ができるんだ?
狭山さんは、俺と千歳二人に話をしたいと言うので、俺はスマホをスピーカーモードにして、びっくりしてる千歳のそばに行った。
「狭山さんから。金谷さん無事だって、連絡取れたって。で、俺と千歳に協力してほしいから、二人で話聞いてくれないかって」
『う、うん!』
千歳は緊張した面持ちでスマホのスピーカーに耳を傾けた。
「狭山さん、千歳も聞けるようにしました。詳しくお話を聞かせていただけませんか?」
「ありがとうございます」
狭山さんは話しだした。金谷さんから狭山さんに連絡が入って無事は確認できたのだが、金谷さんは自分の居場所を明かしたがらないそうだ。今回家出して周りを困らせたからと、いま戻っても安吉さんに朝日さんと無理やり結婚させられそうだから。
実際、安吉さんは朝日さんの要望を聞くためにコネをフル動員しているし、牡丹さんと茂さんもどちらかといえば朝日さんと結婚させたがってるし。
狭山さんは言った。
「安吉さんに逆らったら、安吉さんの70年のコネをすべて使って嫌がらせされると思います。あかりさんも今の仕事なくなるかも。でも、僕の主な収入のラノベは、安吉さんの手が届かない分野です。で、今のところ多少は売れてます。だから、僕があかりさんと生活していくだけなら、なんとかなるんじゃないかと」
「なるほど」
俺はうなずいた。生計の話が出るってことは、狭山さん、いざという時は負担を全部かぶるつもりなんだな、もう。
俺は言った。
「私も、すでに安吉さんに経済面からダメージ受けてますが、私の仕事分野も霊能関係ではありませんから、千歳と生活していくだけならなんとかなります。いけますよ」
「ありがとうございます。で、安吉さんはいろんな家にコネがありますけど、千歳さんが自分の立場をはっきりと宣言して広めれば、いろんな家の人でも、自分から千歳さんにはっきりと敵対しようとする人は減ると思うんです。なので、千歳さんと、千歳さんのサポートしてる和泉さんに、僕たちの味方につくと宣言してほしいんです。だから、僕たちの味方になってもらえませんか? 千歳さんたちが味方になってくれるなら、あかりさん、居場所言うって言ってるんです」
なるほど……。
千歳は大人しく狭山さんの話を聞いていたが、頷いて言った。
『ワシ、狭山先生とあかりさんの味方、なる。あかりさんは一応ワシの妹だし、これまでいろいろ助けてもらったし。ワシは金谷家じゃなくて、あかりさんと狭山先生に味方する』
俺も千歳に続けて言った。
「私も、狭山さんと金谷さんの味方になります。私と千歳は、そのことを金谷家の人や峰家の人にはっきり宣言すればいいんでしょうか?」
狭山さんは「それもお願いしたいんですが」と言い、その次に驚くようなことを言った。
「僕とあかりさん、すぐ籍を入れることにしたので、婚姻届に証人としてお二人の名前を書いていただきたいんです」
コメント
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みぅです🤍🥀 今回のエピソード、すごく胸に響きました。狭山さん、あかりさんを守るために全部かぶる覚悟してるんだなって伝わってきて…「僕のラノベは安吉さんの手が届かない」って言葉、切実で好きです。そして千歳さんが「ワシは金谷家じゃなくてあかりさんと狭山先生に味方する」って言った瞬間、ちょっと泣きそうになりました。最後の婚姻届の証人依頼、驚いたけど二人の強い決意が感じられて、すごくいいです。和泉さんと千歳さんがどう動くのか、続きが気になります🌙
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