美鈴は、私が結婚してからも私を何の監視もなく徹と二人だけで暮らさせるのは心配だと、私達を近所に住まわせた方がいいと父に提案した。
父の家の近くに私が住めば、父も私の顔を頻繁に見れるし、弟の雄二の面倒も頼めると言う利点があると父を説得した。おかしなことに美鈴は巧みに私と徹の結婚話を進め、私達二人を家の近所に住まわせたがった、そして父はそんな美鈴に逆らえなかった
その提案は、どこか心に引っかかる物があったが・・・
その頃の私は何とかして早く結婚したい、私の中のその思いはあの心地よかった我が家が美鈴の手によって変えられた事や家とその周辺のもろもろの思い出から・・・・この問題にケリをつけたいと言う気持になっていた
父から、美鈴から、つまり私にとって「我が家である全ての物から決別したい」と言う願いから発していた。
だから徹と結婚してあの家の近所で、新婚生活を始めると言う事は私にとって決定的に手放しで喜べる事ではなかったが、もっとどこか遠くへ行きたかったが、私にはどうすることもできなかった、私達がうちの近所に住むと言う美鈴の提案に従えば、父は結婚式も新居を構える資金も全額出してくれると言うのだ、むろん徹は喜んで従うと言った
そういう訳で徹と私は結婚して美鈴の家の近くにマンションを借りて、新婚旅行にハワイに行った。
結婚した二人がハネムーンという名の幻滅と退屈の期間を経て、・・尚も失望せず新婚生活を続けられると言う事を私は不思議に思った。
徹は結婚初夜私を抱いた・・・・それは情熱的に愛し合うと言うより「義務を果たす」感じだった、もちろん彼は優しくしてくれた、しばらく彼は私の上で動いて射精した。
ところが翌日は二人で観光したが、徹は私を楽しませようといった努力は何もせず、いつも物憂げで気だるい態度を取るか、さもなくばジッと物思いにふけっていた。 私は惨めに自分が徹に気に入られなかったと失望した
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