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「じゃあ死んでいないのにどうして僕の元に……?」
「確かに僕は基本的に悪霊にならせないために魂を冥界へ送るけど、人間界を空間から見たりもするんだよ。
前々から君を空から観戦していて気になったんだ。
女の子でここまで強い8歳の少女…今は少年か、君の人生を傍(そば)で見てみたいなって……」
「僕の、人生……?どうして僕が女って……」
「他の聖獣が教えてくれた。君と契約したい〜って言っていてね。まあ僕は…君に一目惚れ、ってやつかな…?興味があってね。
それに他の人間なら僕を見たら失神とか良くて震え上がるんだけど君は平気そうだし……
だから、君と契約したいがしたいんだけど…」
「えっと…確かに少し怖いなぁとは思いはしたけど、それよりもかっこいいと思う気持ちの方が強くて……」
「かっこ、いい……?」
「はい」
そう答えると死神さんは大鎌を持ってない方の手で面を抑えて黙り込んでしまった。
え……何か不味いこと言ったかな…?
すると、死神さんはため息をついて僕を見る。
「それで…僕と契約してくれるかな?リース・アビュラル」
「…僕で良かったらよろしくお願いします」
「良かった…これからは僕が君の事を守るから、何かあったらいつでも頼ってね。敬語も取ってね」
「えっと…死神、さん?」
「”さん”も取ってね。ああ、名前とかあった方がいいかな。決めてくれるかな?」
「え!?い、いいの……?」
「うんっ!リースが良いの!」
「わ……わかった…」
笑っているのだろうか雰囲気が柔らかくなっている。
僕が決めていいのなら……何がいいかなー、あ。
「アモン……とかどうかな?」
「アモン…うん、気に入ったよ!」
そう言うと僕とアモンの周りを黒い霧のようなものが凄い速さで僕らの周りを回り、僕らそれぞれに向かって消えた。
僕とアモンの中に入った、という感じだろうか。
「これで契約完了だね」
そう言って微笑んだ気配がした。
こうして僕はひょんなことから死神のアモンと契約することになった。
あれ?もしかして僕、とんでもないことになった?
確か、僕の記憶が正しければ契約は基本的に精霊と行う。
精霊と気に入られるとすんなり契約してもらえるけど、そうで無い者と興味を持たれない者は召喚をしても誰も何も来てくれないことがあったりする。
聖獣や六大神ともは契約は出来るが、そのような事は滅多(めった)に起きたことが無いから情報が全く無いんだとか。
聖獣は稀にあるらしい。
だけど六大神に関しては300年、700年、900年1000年前の計4回しかない。
六大神の死神_アモンと契約を果たした僕はもしかして……もしかしなくても、ヤバいことになったんじゃ…?
この事が国王陛下、いや王族だけじゃなくて研究者とかの耳に入ったら間違いなく一生王宮から出してもらえないだろう。
間違いなく監禁される。
いや、良くはしてもらえるだろうけど刺客(しきゃく)から狙われたりもしそうだな…そんなのは御免(ごめん)だ。
「アモン、僕らの契約の事は絶対に誰にも言わないでくれないかな?僕のこれからの人生がかかっているんだ」
「そうなの?……分かった、リースがそう言うなら誰にも言わない」
「ありがとうアモン!」
アモンの返事に僕は心のそこから安堵(あんど)した。