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第一次wrwrdの短編集

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第一次wrwrdの短編集

22 - 鈴の音は綺麗だった

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2024年12月31日

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しゃりん、しゃりん、

『上手に見えるようになりなさい!!』

舞台の上で鈴を片手に踊る人影、

しゃりん、しゃりん、

『違うでしょ!!』

紙のお面は、リボンで結んで

しゃりん、しゃりん、

『感情を豊かにしなさい!!』

ふわっと笑いながら、

しゃりん、しゃりん

着物を揺らした

『貴方は、シャルル家の恥だわ!!』

しゃりん、しゃりん

『なんでお兄ちゃんみたいに上手く出来ないの!!?』

鈴の音は気持ち悪かった

目が覚める、

あれは、なんのゆめだろうか、…あぁ、お祭りの夢か、…

僕の家は元々、お祭りとかの主催をやっている家だった

僕はそこの家の長男で今年祭りがあるなら僕は、そこに行かなければいけない

本当は、あの人達とは縁切ったし、あの踊りも踊りたくない

だけど、…この家の宿命であることは変わらない

だから、踊らなきゃいけない、…

あぁ、…めんどくさい、……

なんて思いながら、いつものヨレヨレのスーツを着て眼鏡をかけて、会議室へと目指す

会議室へとつくと、全員揃ったなそう言うグルちゃんの声が聞こえ、

「今日、皆に集まってもらったのは、××日に〇〇祭りに行きたいんだ」

スゥー、

「というより、隣国から誘われてな」

まじぃ?

「シャルル家にどうも、踊りの上手い奴がいて皆の前で踊るのだそうだ」

僕、皆の前で踊らなあかんの?

『……ぐるちゃぁーん、すまへんけどさ、…僕その日まゆちゃんとデートやねん、』

『やから、…今回は行けへんわぁ、…』

全員が参加出来へんのなら、辞めるとか言ってくれたりせん?

「…そうか、…」

と言いながら少し笑った、…此奴、俺の出が何処か知っとるからッ、俺が踊るの知っとるやんけッ!

「大先生には悪いが、皆で行こうではないか」

まじでふざけんなよと殺意を込めながら

『…皆楽しんできてね〜!』

ささっと部屋に戻り、着物を羽織る

『…昔着てた奴やし、キツなってるか思たけど、全然そんな事無かったわ…、』

紙のお面をリボンできゅっきゅっと後ろで結ぶ

『おぉ、…昔のまんまやな、…コレ』

なんて思いながら、踊る練習をする

『うっわ、…昔よりペース落ちたなぁ…、まぁ、何とかなるか』

ピッとインカムを付ける

『グルちゃーん、もう出発するから今日夜ご飯要らへんわ』

「分かった…期待しているから頑張ってくれ」

『……へーい』

荷物を全て鞄の中に入れて、帽子を被ってそのまま門から外へと出ていく

隣国までは余り距離が無いので、歩きで行く

昔もこの道通ったなぁ、…なんて戯言を思いながら、自分の家の扉をノックする

『…、母様、夜に申し訳ございません。帰って参りました』

「………帰ってきたのね、……早くお風呂に入って部屋で練習でもしてきなさい」

『……ありがとうございます。母様』

お風呂に入って、すぐさま部屋に入り眠る

朝から早いからこそ、早く寝なければ、…

朝、4時に起きる

まだ日は登っておらず暗かった

本格的にお化粧と着付け、お面を取り付ける為伝統的な方々にやってもらう

ファンデをポンポンと塗って、アイシャドウを塗って、口紅を塗る

勿論、眼鏡を取ってコンタクトにしている

着付けを行う

着物は、星空のような色の羽織に中には白色の着物を着ている

髪型を整え少し切ったり、ワックスでまとめたりする

そして、お面をつける

後ろの紐で括るそして、鈴を片手に持つ

そんな事をしているうちに時間はもう、10時だった

『…、もう6時間も経ったんか…、』

会場まで向かうともう時間もギリギリなので、急いで会場の裏方の方へと向かう

すると、少しの休みもなく声が聞こえてきた

「皆様、お集まり感謝致します」

「これより、毎年恒例行事シャルル家のお祭りを開催いたします」

「踊りはシャルル家長男殿が踊ってくれます」

「どうぞ、」

その声を聞いてスタスタとステージへと上がる

そして、一回転、2回転、3回転、4回転程回る

そして、一礼

『お集まりの皆様、この度はこの会場にお足を運んで頂き誠にありがとうございます』

『わたくしが、今回皆様の前で踊らさせて頂くものです』

『皆様にとっての最高をお送り出来たらと思います』

『それでは始めましょう』

するとピアノが本当は始まるはずたったのが、なり始めない

『…、』

ピアノの方を見ると何故か居なかった

『…、皆様申し訳ございません、ピアノ役が何故か不注意で居ないようです』

ふと周りを見上げるとグルちゃんの姿が見えて

『…、グルッペン・ヒューラー様はピアノを弾けたと言います、…今回ピアノ役の代わりで弾いては頂けませんか?』

「…えぇ、良いでしょう」

前にグルッペンが歩いてくる小声で

『頼んだで』

「お前もな」

そう言葉を零し

踊り出す

タンタンタンとくるりくるりと回り出す

一回転したり、手を動かしたり、足を動かしたりしゃりんしゃりんと、鈴音を鳴らしながら

そういえば、小さい頃…、兄もそうやってピアノを弾いてくれたんだっけ?

兄は、シャルル家唯一金髪で生まれて来たから忌み嫌われてたらしいなぁ、…

やけど、それが兄のかっこいいとこでいっつも兄上かっこいい!!なんて言ってたな

そーいや、兄も、踊りが上手かってんなぁ

そう思っていると、音楽は終わりへと近づく

時間もどんどんと早く進んでいるように見える

しゃりん、しゃりん、

あの時みたいに、怒鳴る人もいない…、見てくれている皆のお陰で綺麗な音が出る

音楽は、綺麗な音を出してから止まる

それに合わせて自分の鈴音もとまらせる

そして、頭を下げて

『見ていただいた皆様、誠にありがとうございました』

『皆様も他の祭りの要素をどうぞ、お楽しみくださいませ』

『では、』

そう言って舞台裏へとグルッペンを連れて出ていく

『ぐるちゃん、ありがとなぁ』

「今回のような事は出来るだけやめて欲しいが、まぁ今回は楽しかった」

『ふふ、そか』

『ほら、皆のとこ戻り?』

「ん?…何を言ってるんだ?お前も来い」

そう言われ手を引っ張られながら外へと出される

すると、皆が居てとんとんが話し出す

tn「あ、ちょいお前っ!どこ行っとたん、」

「あぁ、ピアノを弾いていた」

tn「勝手にどっか行くなや」

「すまん、」

『そう、トントン殿も怒らないでやってくださいな、』

『わたくしが、お願いしたのです』

『本当は、今回専用のピアノ役が居たのですが、何故か来ていなくて、…ですが、そんな時、ピアノの腕が良いグルッペン殿がいたもので…、わたくしがお願いしてしまったのです』

tn「あぁ、そうなんですね…、」

「お前なんでそんな、敬語でやってるんだ?」

tn「ぇ?俺?…そりゃ、シャルル家の方やろ?なら敬意を払わなあかんやんけ」

「お前じゃない、」

「シャルル」

『…、…グルッペン殿?隠して頂きたいんですけどぉ、…』

「知らん、」

そう言って近づいてくるグルッペンに紙面が取られる

『あ、…』

tn「え”…、大先生?」

kn「お前やったんか?」

『まぁ、…うん』

rbr「凄いやんけ!!」

em「大先生、そんな動きも出来たんですね!」

shp「凄いわ…、後で教えて貰ってもええですか?」

『…っー、…』

恥ずかしかってんから教えてへんかったんに!!

『気が向いたらやな…、』

『それより、僕もう行かなやからまた後で!!』

そう、グルッペンから紙面を奪い返して適当に付けて早めに歩き出す

乱暴にもった鈴の音が何故か綺麗に聞こえた

後で照れ隠しだって笑われるのはまた

今度の話

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