コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第2次予選
準々決勝____
なんなく勝ち進み___
その度に『おめでとう!!!!』と美樹が言う。
「当たり前だろ、こっちには牛島さんがいんだから」
負けるわけねぇだろ、と俺は自信を持って言ってやった。
今年も全国大会へ行くのは白鳥沢だ。
『やっぱり賢二郎は若利くんにゾッコンだよね』
「は?何言ってんだ、ゾッコンの使い方間違ってるだろ」
『間違ってないって!!www
信頼とか尊敬とかぜーんぶひっくるめて若利くんにゾッコンって言うんだよ
だって試合中の賢二郎、若利くんの事しか見てないもん
私の応援の声なんて聞こえてないでしょ』
…そりゃあまあそうだけど。
ムッと俺を見る美樹。
そう言われて図星になる。
「…それ以外はちゃんと応えてるだろが」
準々決勝後、観客席から少し離れた廊下で2人で話してる。
『ええ〜…それはまあ確かに?w』
と美樹は俺の顔を見てはにかむ。
「…何、試合中も考えててほしいのかよ」
と、俺もニヤリと笑いながら言うと
『そりゃぁ…まあ…練習とか試合とか…必死なのは分かるけど…私の事ずっと考えててほしいなーって声届かないのかなぁ…って思う時あるよ』
ごにょごにょ口を尖らせながら言う美樹は可愛くて___
「ふは、牛島さんに嫉妬でもしてんのかよ」
『えっ!そんなの…してるわけないよ!!
だって、賢二郎がバレーしてる姿大好きだし…
若利くんにトスをあげる賢二郎の表情とか、喋ってる時とか…全部、全部それも好きだし…』
____
準決勝、
決勝、
全国大会。
俺が白鳥沢学園に来なければ出会えなかった景色。
それを見せてくれたのは紛れもなく、牛島さんが居たからだ。
牛島さんが、俺の人生を変えてくれた。
けれど___
『次の準決勝も頑張ってね!観客席から応援してる!誰よりも大きい声で賢二郎の事応援するから!』
そう言って笑う、美樹が____
愛しくて、
愛おしくて____
「…試合中もずっと考えてるよ」
『え?なんて言った?』
わざと小さい声でつぶやく。
「…ばーか」
『なっ!?w急に罵倒してこないでw』
「ふは」
そう笑い、美樹の髪をわしゃわしゃと撫でる
〝お前が喜んでくれるなら、
お前が笑ってくれるなら
どんな相手でも負けたくねぇって思えんだよ。
____
俺の
人生変えてくれたのは牛島さんで
支えてくれてるのはお前だよ〟
こんな事、ぜってぇ言ったら調子乗るだろうから一生言ってやんねぇ。