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#魔法
しろのね
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陽瀬 柚夏
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管野アリオ
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藍 羅 . 🎧🌿
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話し合いをして以降、由恵の前に姿を見せなくなった夏樹。
視察と称して一緒に仕事していた専務の松山廉から、『村下さん、もし何かあったら連絡して欲しい』と、彼のメッセージアプリのIDを託され、十一月に入ると本社へ戻った。
由恵は、ありがたさと申し訳なさで複雑な心境ではあるけれど、Hearty Beautyの店内にも、ようやく平穏が訪れ、安堵のため息を漏らす。
「村下さん、そろそろお迎えの時間ですよね? 上がっていいですよ」
「はい。お先に失礼します。お疲れさまでした」
店長に促された由恵は小さく会釈をすると、休憩室に荷物を取りに行き、急いで保育園に向かった。
由恵の中から夏樹との話し合いの記憶が薄れてきた頃。
彼女は仕事を終えると、娘の樹里を迎えに行った後、のんびりと歩きながらアパートに向かっていた。
保育園での出来事を一生懸命に話す娘に、目を細めながら歩き続けていると、いつしか自宅アパートに到着。
しかし、ドアを見やった瞬間、由恵は違和感を覚えながら眉を顰めると、樹里の手を引きながら近付いた。
ドアの前に置かれている、白い大きな紙袋。
中を覗いてみると、真っ赤な薔薇の花束が入っている。
「なっ……な……に…………これ……」
薔薇の花束は、本数によって色々な意味があると言われているのを思い出した由恵は、花の数を数えると、スマートフォンを取り出した。
『薔薇の花束 三十五本 意味』で検索を掛けると、『私が抱く最高の愛情』『心からの想い』と表示されてある。
さらにフラワーショップのサイトを覗いてみると、もうひとつの意味を目にした瞬間、由恵の背筋がゾクリと凍り付いた。
──私を受け入れて
彼女の表情が怯み、しゃがみ込んで樹里の身体を抱き寄せた矢先。
「由恵」
聞き覚えのある低い声音に、由恵は弾かれたように立ち上がると、咄嗟に娘を背後に庇う。
ダークグレーのスーツをキッチリと着こなしている夏樹が、不敵な笑みを映し出すと、気だるそうに近付き、鋭利な眼差しを突かれた。
「どっ……どうやって私の家を知っ──」
「決まってるだろ? お前に気付かれないように尾行しただけだ」
男の言葉に、まだ彼女を諦めていなかった事実を突き付けられ、愕然とする由恵。
夏樹が一歩踏み出し、スラックスのポケットに両手を差し込みながら由恵と向き合う。
鼻でフンッと笑い捨てた男が、口角の片側を吊り上げながら彼女を射抜き続けた。
娘の樹里を見やると、母のスカートの裾をギュッと掴み、小さな身体を硬直させながら恐怖に慄(おのの)いている。
不気味さを湛えた笑みを浮かべている夏樹に、逃げ場を奪われた由恵は、ジワジワと詰め寄られた。
「なぁ由恵。俺を…………受け入れてくれるよな?」
——La fine——
コメント
3件
うわ……第8話、めちゃくちゃ重い展開来たね……。 由恵の前に直接現れた夏樹、しかも尾行して住所突き止めてたっていうのがもうゾッとする。薔薇35本の「私を受け入れて」っていうメッセージ、ロマンチックに見せかけて完全に脅しじゃん。樹里ちゃんがスカートの裾掴んで震えてる描写、読んでてこっちまで息止まったよ。 平穏が戻ったかに見えたところでのこの展開、心臓に悪い……でも続きが気になって仕方ない。管野さんの描く執着の空気感、リアルで怖いのに引き込まれます🏻