この作品は適当に感情のまま書いているので史実と違うところがいくつかあります。鵜吞みにしないでください。
「終わった……」
日本はげっそりとした顔で呟いた。机に放り投げられたエナジードリンクの空き缶は数えきれないほどで、几帳面な日本だが机だけはそのままにしておくのだった。だってどれだけ綺麗にしてもその日のうちにまた空き缶で溢れるのだから。
日本は疲れ果て、歯も磨かずに布団に倒れ込んだ。壁掛け時計の針は丑三つ時を告げている。
「明日の会合が午後からでよかった………いや、もう今日か……」
そう呟くと、もぞもぞと掛布団の中に入り、目を閉じた。
エナジードリンクでドーピング紛いなことをしてはいたものの、身体は正直なようで、布団の暖かさを感じる間もなく眠りについた。
その日、日本は夢を見た。
「クソッ………」
「もう終わりだ、–。」
目の前には、冷酷な顔で自身を見下ろすアメリカの姿があった。言葉の一部はもやがかかったようにぼやけて聞こえないが、確かにアメリカの声であった。
その目にサングラスは無く、いつも日本が見ていたアメリカの姿とは段違いな姿。日本は仲のいいアメリカのはずなのに恐怖を覚えた。
(なんで、アメリカさん……?)
「ああ”っ、クソッ!!アメ公ぉ、貴様のせいで俺の国はズタボロだ!何人死んだのか分かっているのか!!」
自分から発せられている筈の声は自分の物より遥かに低く、威圧感のある声だった。
だが、どこか懐かしさを覚えた。
「貴様のせいで空も海も………!」
不意に視界が傾き、気付いたときには左手に刀を手にしてアメリカに斬りかかっていた。
(だめだ!斬るな!!)
しかしその刃はアメリカに届くことなく、銃一丁で弾き飛ばされる。
「はあっ………はあっ…………」
「諦めろ、–。~~もXXも降伏した。お前の味方はいない………」
大体、お前の方こそ何人殺しているんだよと言いながら何処までも冷酷な顔で地べたにへばりつく日本を見ている。
「………けるな」
「ん?」
自身の中に、幾度も湧いた激情が再びせり上がってきた。
「ふざっ………けるなぁ!!」
自分の拳が地に叩き付けられる。鈍い音が鳴った。
「我が国は貴様らを永久に許しはしない!!いいか、俺が沈もうとも必ず夜明けはやって来る。いつか絶対に貴様らを叩き斬って貴様らの国を支配してくれるッ!!」
地獄の底まで響き渡るような大音声で自身は叫んだ。
そして、次に紡がれた言葉に日本は驚愕した。
「日の本の名を背負った我が国は絶対に諦めぬ!!」
(日の本………?!私以外にそんな名を背負った国なんていないはず………)
そこで、日本はある結論に辿り着く。___________過去か、未来の話である、と。
更に、映っている景色からも考えてみた。先程叩き付けられた手には手袋が嵌められていて、袖は着物ではなく割と現代的な物であった。
(開国後で戦争、しかも敗戦…………)
日本の記憶からある国の名前が出てこようとしていた。
しかし、無情なことに、日本が思い出すよりも前に夢の世界は遠ざかり、起床を促しているのであった。
「…………?」
目を開いた日本は先程の夢がどんな内容だったか思い出そうとする。
しかし、最早頭の中には何も残っておらず、唯一憶えているのは射すくめるような冷ややかな青の瞳と、いつもよりもはっきりと浮かび上がる激情のみだった。
「まあ、いいか……準備しないとな」
日本は大きく伸びをして、午後の会合の準備に取り掛かった。
ありがとうございました!
タグは「枢軸組」ってなってるのに未だにドイツとイタリアすら出てこねぇ……
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!