それからというもの1話、2話、3話、とドラマの撮影は続いて行き、次で最終話だ。
ネットでは悲しいなどと多くの声が挙げられている。
「あ、朔間くんからだ。」
日に日に朔間くんからもLINEが来るようになりすっかり仲良くなった。
『次のドラマ、キスシーンあるね』
『そうだね、なんか緊張するかも(笑)』
『そう?』
『朔間くんは絶対慣れてそう! 』
『私、そういう経験あまり無いから任せるね。』
『任せるとか、なんか可愛いね。』
ここ最近、朔間くんのことばかり考えてしまう。
『じゃあ、練習でもする?』
『練習って?』
『キスシーンの練習』
えっ、キスシーンの練習?!と思ったけど、先輩方からも聞くようにキスシーンに備えて練習っていうのは聞いた事もなくもない。
『キスシーンの練習かぁ、』
『冗談だよ(笑)』
冗談、そう言われてちょっと悲しむ自分がいた。
でも、なんでちょっと悲しんでるんだろう?
『そうだよね〜(笑)次の撮影も頑張ろ! 』
『そうだね』
撮影日。
いよいよキスシーンの場面。
「緊張する…」
「大丈夫だよ千紗。僕がリードするから。」
「うん、ありがとう。」
「さん、にー、いち、キュー」
「僕は、ずっとみくの事が好きだけどね。」
「そんなっ、私だってずっと好きだよ?」
「じゃあお互い様、ね?」
次、朔間くんとキス。
朔間くんとキス…
そんなことを考えてるうちに唇にふと、柔いものが当たる。
目を開けると近くに朔間くんの顔。
心臓の音がすごい、耐えられないかもしれない。
ようやくカットが入る。
これがドラマの最後のシーンだった。
「半年間ありがとうございましたー!!!」
「スタッフから、役者の皆様へ花束をお送りします。大事にしてください! 」
大きい花束。すごいなぁと見とれていると
「千紗、ちょっと良いかな。」
朔間くんから呼び出された。
このまま上がるつもりだったからちょうどいいやと思って朔間くんに着いていく。
朔間くんの楽屋に着く。
「あのさ、ずっと言いたかった事があるんだ。」
なんだろう。演技に対しての文句だろうか。
「僕と付き合ってくれませんか」
「えっ…!」
まさかの告白だった。
でもその告白を聞いた途端自分の気持ちにも気づけた。どうしようもなくドキドキして、ずっと朔間くんの事を考えてて…
でもまだその気持ちには答えられない。ファンがいるから…
「ごめんなさい…」
「…そうだよね。」
「でもね、私も朔間くんのこと好きだよ。気づいたらずっと朔間くんのこと考えてるし(笑)」
「だけど、今はごめんなさい。」
「僕も、千紗のことテレビで見た時から可愛くって人柄も良くって、ドラマで共演できるって聞いた時すごく嬉しかったんだ。」
「ファンがいるから、だよね?」
「なんで分かったの?」
「千紗のことだからさ。ファン思いのところも好きだよ。ずっと待ってる。」
「ずっと待ってて。」
そうして、お互い話しながらタクシーを捕まえ家に帰る。
それからというもの、お互い趣味の場所に行ったり色んなところで出掛けたりした。
報道者に見られてるとも知らずに。
そんな中、夢のドーム公演が決まった。
嬉しくって嬉しくって泣きじゃくった。
朔間くんからも
『ドーム公演決定嬉しいね。おめでとう!』ときた。
色んな人が私のドーム公演を祝ってくれた。
あと3ヶ月…
コメント
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え、千紗ちゃん、夢のドーム出演決定したの!!? 待って、思ってたよりも早くない!?( うわーー、続き楽しみすぎる、 恋愛的面もどうなるかも気になってしまう(
今日はできるだけいっぱい投稿します‼️