テラーノベル
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柔太朗side
ピンポーン
いつも通り、インターホンを押す。
朝のこの時間、ここに来るのももう当たり前になった。
少しして、バタバタした足音。
「じゅうー、ちょっと待ってなぁ!」
…今日も、急いでる 。
思わず笑いそうになる。
「ごめぇーん、じゅう!」
ドアを開けて出てきたしゅんは、少しだけ息が上がってた。
「全然大丈夫だよ笑 行こっか」
並んで歩き出す。
いつもと同じ道。
いつもと同じ距離感。
——のはずなのに。
なんでか今日は、妙に意識してしまう。
ちらっと横を見ると、
しゅんは前を向いたまま、何も言わない。
いつもなら、どうでもいい話でもしてくるのに。
「…どうしたの?」
思わず聞くと、
「え、なんもあらへんよ?」
なんて、いつも通りの顔で笑う。
…いや、絶対なにかある。
でも、それ以上は聞けなかった。
変に踏み込んで、
今の空気壊すのも、なんか違う気がして。
——このままでいい、って思ってるのに。
いつかは舜太に伝えたい。
“好き”ってことを…
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