本音と恋の両立は難しい

翌日　教室

柚璃「音魅！」

音魅「！」

柚璃「もー、仲良くなったんだしビクってなんなくて良いのに」

音魅「まだ慣れなくて、私なんかがちゃんと話して良いのか分からなくて」

柚璃「良いんだよ！っていうかさっきから周りの目気にならない？」

音魅「うん、結構」

燈真「髪、切ったもんな」

燈真「これで幽霊女とか言われなくなるんじゃないか」

音魅「幽霊…？」

陸徒「まっ！」

音魅「幽霊女だっけ？」

柚璃「知ってた？」

音魅「ちょくちょく聞こえたりする」

羅輝「でも今だったら大丈夫そうだな」

あれ幽霊女？だよな

髪切ったんだな

結構可愛いかも

柚璃「良いねぇ、男子が釘付けだよ！音魅」

音魅「なんか恥ずかしい///」

陸徒「それくらいは自信持って良いと思うけどな」

柚璃「可愛いんだし！」

羅輝「あと、話変わるんだけどもうそろっと体育祭じゃね？」

燈真「もうか、早いな」

柚璃「高校で初めての体育祭！やっぱり勝ちたいよね」

陸徒「なら燈真はリレーじゃん」

燈真「あったらな」

羅輝「音魅はなんか得意なスポーツあるか？」

音魅「…バレー、とか？」

陸徒「昔習ってたとか？」

音魅「うん、初めての大会で優勝できた時は嬉しかったな…！」

陸徒「そ、そっか…//」

陸徒(やっぱり俺昨日からおかしい、なんで音魅が笑ったら顔が熱くなるんだ？)

柚璃「え、待って初めての大会で優勝って凄くない？」

羅輝「な、それって音魅もちゃんと試合に出てたのか？」

音魅「う、うん」

音魅「で、でも昔のことだよ！」

燈真「どれくらい続けてた？」

音魅「小学４年で大会出て、優勝して…それから中学１年生の後半くらいまで、かな」

羅輝「じゃあ球技大会のバレーは音魅活躍するかもな」

音魅「…どう、だろ」

他愛のない会話をしては帰る、そんな日々を送ると同時に体育祭当日も気付けば明日になっていた

柚璃「髪切ってから音魅人気だね」

羅輝「特に優真って奴がよく話しかけてるよな」

柚璃「もしかしたら好きなんじゃ…！」

陸徒「…！」

陸徒(俺は自分の気持ちに気付いた。俺は音魅が好きだ。…でも)

陸徒(この気持ちを音魅に伝えたら多分、音魅は困る)

陸徒「そうかもな」

陸徒(だから俺は平気なフリをして作り笑いをする)

燈真「…」

放課後

羅輝「帰ろうぜ！陸徒、燈真」

燈真「ちょっと俺陸徒と話ある」

陸徒「？どうした？」

羅輝「リレーのことか？」

燈真「羅輝待ってもいいし帰ってもいいぞ」

羅輝「おー、んじゃゆっくり歩いてるわ」

優真「音魅、一緒に帰らない？」

音魅「柚璃も、一緒なら」

陸徒「…バイバイ、音魅」

音魅「あ、うんバイバイ」

燈真「…その事だよ、話ってのは」

陸徒「なんでちょっとイライラしてんだ？」

燈真「お前は、それで良いのかよ」

陸徒「なにが？」

燈真「好きなんだろ、甘奈の事」

陸徒「！言ったっけ？俺」

燈真「いや、でも知ってるのは多分俺だけ」

燈真「このままでいいのか？」

陸徒「いいよ、俺はこの気持ちを伝えない」

燈真「そうだよな、諦めてる顔してる。だから無理して笑ってるんだろ」

陸徒「いいだろ、それでも上手くやれてるんだから、家でも」

燈真「今は、だろ。お前中学の頃忘れたのかよ」

陸徒「忘れてない。忘れるわけないだろ…！」

燈真「なら！同じ結果になるような事してんじゃねぇよ！」

燈真「人が怖いのは知ってる。でもそのままじゃダメだって分かってるなら…！」

陸徒「知ってる！でも、無理なものは無理だって決めて何が悪いんだよ！」

燈真「そんなの諦めるための理由に過ぎないって言ってんだよ！」

陸徒「お前に俺の気持ちがわかるはずないだろ！」

羅輝「ちょちょ！？なんでケンカになってるんだよ！」

柚璃「なんか、大きな声したけど…！」

音魅「燈真に陸徒くん？」

燈真「…そうだな、ならもう何も言わねぇ」

陸徒「…」

燈真「優真は？」

柚璃「なんか優真の友達が連れていっちゃった」

燈真「そっか、俺帰るわ」

羅輝「ちょ、燈真！」

柚璃「待って羅輝」

音魅「…陸徒くん」

陸徒「音魅は帰らないの？」

音魅「うん、陸徒くんと帰りたいな」