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翌日、凛が学校へ登校し教室へ入るとすでに数人の児童の姿があった。そのうちの一人に彩もいた。
凛が教室のドアから現れると、今にも待ちわびていたかのように彩が自分の席から飛んできた。
そして、凛が自分の席へランドセルを置くと彩が満面の笑みを浮かべて口を開いた。
「昨日、おじいちゃんに聞いてきたんだ!それでさ面白いことわかった!」そう言うと彩は自分席に戻り、引き出しから紙のようなものを取り出すとこちらへ戻って凛にとある紙を見せた。
「あの鍵、ちょっと特殊らしいの。鍵穴を入れる部分がふつうは円形の下の方に突起物?が出てる感じなんだけど私が拾ったものは風車の形みたいになってるって言ってた。あと、もうちょっと調べてみたいって今はおじいちゃんが持ってる」と彩が話し終えると凛が口を開ける。
「あの鍵、なんだろうね〜本当に」
「うん。あと、今週の土日のどっちかに骨董品屋に来てほしいって言ってた。それまでに調べること調べて彩たちに話したいって」と彩が話す。
「わかった」と凛が返事をするとほぼ同時にチャイムが鳴った。彩は自分の席に戻った。
その日の下校時。二人は昨日と同じ道を他愛のない会話をしながら歩いていた。
「あ!まだある。このキーホルダー」昨日、彩が興味を示した雑貨屋の前を通る。少し歩いて二人は昨日、白猫と出会った路地の方を向いた…はずだった。
「あ…あれ?路地がない…」
二人はすぐに異変に気づいた。路地がなかった。あの細い道が。消えていたのだ。おかしいと思いつつも、二人は数分後前へと歩き出した。
それからいつも通り、T字路で解散した。
時が少し経ち、土曜日。この日は今季最低気温と言われるほど寒い日だった。
紫色のダウンに白いマフラー姿の凛は彩の祖父が営んでいる、骨董品屋へ来ていた。骨董品屋にはグレーのトナカイの柄のあるセーターにオレンジ色のチェック柄のスキニーパンツを履いている彩の姿があった。
「おはよう!」と彩が凛に元気よく挨拶すると「おはよう!」と明るい挨拶が返ってきた。
「暖かいから奥おいで」彩が凛を奥のバックヤードのような部屋へ案内した。そこは4.5畳ほどの広さのある畳の部屋だった。そこにはカーキ色のトレーナーに青いデニム地のパンスを履いた白髪の短髪に刈り上げた若々しい姿の祖父の姿があった。若干の顔の皺はあるものの50代ほどの男性に見えるほど若々しい。正確には70代だという。
「私のおじいちゃん!若いでしょ?」と彩は自慢げに話す。
優しく朗らかな笑顔で彩のお祖父さんは挨拶をする。
「どうも。彩から聞いています。凛ちゃんだよね?僕は紀彦(のりひこ)です」というと紀彦は部屋の奥にあるヒーターを付けた。すでに暖房がついているがそれでも寒いのだろう。
すると、紀彦はどうぞと二人を畳へ案内した。彩と凛は靴を脱ぎ、畳へ上がる。畳の上には小さめなちゃぶ台が置いてありその上には三つの茶碗があった。おそらく今いる三人分のものだろう。
三人はそれぞれの位置に座った。そして、紀彦が話を始めた。