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#こめんとくーださい!
熱い冷やし中華
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#この物語はフィクションです
熱い冷やし中華
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九重九十九
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そこは、いつもいた病室とは違う意味で異質だった。部屋中が酷くサビ臭い。床には真紅の水たまりが溜まっていた。白い壁には、真っ赤な字が沢山なぐり書きされている。近づいて読むと、それは子どもが書いたような日記のようだった。
「◯がつ◯にち てんき☀️ きょうは、かんじゃさんにゆけつしました びょうきでくるしんで のたうちまわります。 でも、さいごはねむって、よかったです」
「◯がつ✕にち てんき🩸 きょうは、かんじゃさんがあたらしくきました おねえちゃんのひめいがきこえた。 だれ だれ だれ」
だれだれだれだれだれだれのせいだれのせいだれのせいだれのせいだれのせいだれのせいでだれのせいでおねえちゃんおねえちゃんおねえちゃんおねえちゃんがいたがってるおねえちゃんがちをながしたおねえちゃんがくるしんでいるおねえちゃんがおねえちゃん。
そこで、字は止まっていた。真っ赤な液体はまだ乾いていない。壁を伝って、ぽたり、ぽたりと床へ落ちていた。つまり、ついさっきまで誰かがここで字を書いていた。
怖くなって、少し後ずさる。何かとぶつかった。べちゃ、と背中に何かが付着する。
冷たい。
生ぬるい液体が、服を伝って落ちていく。
後ろを見てはいけない。
本能がそう叫んでいた。
けれど、それが何なのか確かめなければ、もっと恐ろしいものになってしまいそうで。
─これを書いた張本人だ。
─「おねえちゃん」と書いていたのだから、ナースなのではないか。
─後ろにいる“何か”は、私のことを許さないだろう。
わかっている。わかっているのに。私は恐る恐る、振り返ってしまった。
思ったより、彼女は小さかった。小学1年生くらいの背丈。新鮮な血を被ったような、明るい赤。くるくると、大きな縦ロールが2つ、高く結ばれていた。
そして、おでこからタラタラと、何かが垂れていた。…まさか、血液?
彼女はまんまるの茶色の目で、私をじっと見ていた。何を考えているのか、わからない。思考や感情が読み取れなかった。
「…あなた、あたらしいかんじゃさん?」
多分、全てわかって聞いている。喉がひゅっと鳴った。その瞳から逃げられる気がしなかった。正直に話すしか、選択肢はない。
「そうだよ。……君は、ここのナースかい?」
「うん。わたし さんばん。」
「あなた おねえちゃん すき?」
「え?」
「わたし、おねえちゃん だいすき。」
ぐにゃり、と首が90度に曲がる。
恐怖反応により、無意識下で後ずさってしまった。
「あなた、おねえちゃん なかせた なんで?」
そう言ってから、ゆっくりと瞬きをした。多分この子は、私が正当防衛を訴えかけても許さない。そして、それがこの病院の全てだった。
「…わ、私は…この病院から出たいんだ。なあ、なんでこんな事をする?何が必要なんだ。…気を失ったとき、治療をして貰えたのは本当に感謝している。でも、私は帰らないといけない…。」
それを聞いて、3番はまた反対の方向に首をぐにゃりと傾げた。不思議なことを言うな、と言いたげに。
「ほしいものは ないよ。もう もらってる。」
降ろされていた腕が持ち上がり、指をさす。その方向にあるのは…私だった。
「ほしいのは あなた。」
そのとき。突如、足に力が入らなくなった。全身の筋肉が言うことを聞かない。体重を支えられず、ふにゃりと倒れ込む。糸の切れた操り人形のように。…この血を嗅いでいると、なにかおかしくなる。そうだ。この病院のものが、マトモなわけがなかった。なぜ普通の血だと思ったのだろう。
「おねえちゃん つかまえたよ」
「どうするの?このひと」
なにか、二人が小さく話し声が聞こえる。言っている内容は、理解できない。頭がそれを拒否していた。
「…?そうなの?わかった。みんな呼んでくるね。」
そうして、私はまた深い眠りに落ちた。
コメント
1件
うわ、これめっちゃ怖い…! 第3話で一気に不気味さが加速したね。壁の日記、“さんばん”の小さなナース、首がぐにゃりと曲がる描写とか、♡♡♡的な恐怖がじわじわ来る。最後の「ほしいのはあなた」で全身の力が抜ける感じ、ゾッとした。しかも「みんな呼んでくるね」って…まだ仲間いるんかい! 続きが気になりすぎる。夏目さん、ホラー描写の解像度エグいっす。