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「岩本先生、ありがとうございました」
ついつい見惚れてしまう程に、生徒会長は手本となりそうなとても綺麗なお辞儀をした。
対照的に佐久間は、ダンボールから出てきた後に、ペコッと首を下げるのみ
クルッと踵を返し佐久間と共に生徒会室へ消えて行った。
俺は床に置かれたダンボールを台車に乗せて、今度は本当に焼却炉まで運んでゆく
通りすがり、まだ沢山の生徒が血ナマコになって探している。
最近ごくごく普通でなんの刺激もない、単調な毎日だったからか、今日いつもと違う毎日に楽しくなってしまった。
もう探したって無駄なのに「クスり」とつい笑ってしまった。
あいつが正式に、姫になったらこの先学園がもっと楽しくなっちゃうのかな?
考え事をしていると、あっと言う間に焼却炉まで辿り着いた。
焼却炉の横にある物置部屋に、ポケットから鍵を取り出してガラガラっと開け、奥のスペースに二箱とも置いた。
後はこの台車を保健室まで運ぶだけとなった。
「岩本先生さようなら」
「さようなら」
手を振って挨拶する生徒に向かって、俺も手を上げて返事を返す。
台車をガラガラ押しながら、また考え事をし始めた。
昨年の4月―
現生徒会長の阿部が入学し1年生で、生徒会長となったある日の事だった。
突然、一緒に保健室で昼食を食べていた、ふっかから忠告された。
「お前あまり会長と関わるなよ」
「ふっか先輩何で?」
「学校では深澤先生な、お前とは先生後輩で友達でもあるけどさっ」
俺のオデコをトンッと突かれた。
「製薬会社のご子息でさ、ほらお前も聞いた事あるだろあの有名な製薬会社」
「ああ、確かCMしてるよな」
特によく効く風邪薬として大々的にCMや薬局では目立つ位置にズラッと並んでいて、大多数の人間が常備薬として持っておりお世話になっている。
「沢山この学園に出資してる訳よー」
こそっと、小声になった。
この話に信憑性を持ったのは、ふっかの前職がその有名製薬会社の研究員だったからである。
「下手に会長と関わって行動すると、最悪お前の首飛ぶからな」
「善処する」
大きく頷いた。