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物心付く前から金魚が周りを泳ぐように漂っていた、それを大人たちに言ったところで気持ち悪がられるだけだった。

ある時から金魚が集まっている所は何かしら事件、事故が必ず起きていた。

黒い金魚は事故赤い金魚は事件があると気付いてからは、この謎の力をうまく扱う術を覚えた。

11歳程の頃、雑木林で遊んでいた時、鮮やかな朱色の金魚が目の前を通り過ぎた。

後を追うと、一部分だけ色が変わった土の上で円を描くように漂っていた、そこを掘り起こそうと鍬で土を掻き出すや否や、固い物にあたった頭蓋骨があったのだ。

それを気に、金魚の法則性を見つけそれを世のため人のために使うようになった。

そして早10年程過ぎた頃、詩軸矢太郎と呼ばれる記者がそこにいた。

矢太郎は、何処から手に入れた情報なのか誰も知りえない特ダネを見つけ、多才な文章で記事を書き読む者を魅力する。

当の本人は何処から手に入れたネタだと問いただすも、のらりくらりとかわし、相手の情報を密かに盗む達人であった。

六畳半の部屋の片隅窓を見つめ、漠然と空を眺めていた。



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