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有栖
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いわふか💛💜
「なぁ、ふっか。お前マジでパラレルワールド? 行きたいとか思ってんの?」
「えー? 急にどした?」
「いや、今日のラジオで言ってたから気になって」
俺の言葉にあははっと声を出して笑うふっか。
ふっかが某番組で紹介されたパラレルワールドに行ってみたいと、今日一緒に出たラジオで話していて。ふっかはたまにどこかふわふわしていて掴みどころがないから、どこまでが本気なのかよく分からない。
「一回体験してみたいなーとは思うけど、マジで戻って来れなかったら困るから。だから行かない、かな」
「何だそれ」
「いやマジな話さ。俺多分、パラレルワールドとか行ったら二度とここには戻って来れないと思う。何ていうか…そういう現象に好かれてるから、離してもらえないっていうか」
そう話すふっかの表情が思ってるより真剣で。だけど目だけはいつもと違う光を放っているような気がして…背中が少しだけゾクッとした。
ふっかの言ってる内容、多分俺は半分も理解出来てないと思う。好かれてるとかどういうこと? 何に?
大切な恋人の知らなかった一面に、戸惑いを隠せなかった。
それでも、あからさまに『分かりません』って顔してる俺にもふっかは優しくて。「まあよく分かんないよな」って言って笑った。
そんな会話をしたからか、その晩夢を見た。
ふっかが消えた。その姿も痕跡も何もかも、何一つ残すことなく。
何より恐ろしかったのは、ふっかのことを自分以外が覚えてないこと。誰に聞いても『深澤辰哉なんて知らない』って答えが返ってくる。
俺はしっかりふっかのこと覚えてるのに。
こんなに、誰よりも強く想ってるのに。
なのに、ふっかはいない。
とんでもない夢に寝覚めは最悪だったけど、夢であったことに心底ほっとする。そして無性にふっかに会いたくて堪らなくなった。
集合時間にはまだ早いけど、楽屋にいてふっかが来るのを待とう。そう思って身支度を始める。
早くふっかに会いたい。
集合時間より1時間ほど早い楽屋。誰もいないだろうと思って開けた先に、ソファで寝てるふっかを見つけてびっくりする。
「え…ふっか…?」
「んー…? あ、おはよぉひかる」
寝起きのふにゃふにゃな滑舌で、笑顔もふにゃふにゃなふっかが起き上がった。
待って駄目。それどっちも俺以外が見ちゃ駄目なやつ。
まだ楽屋に誰もいなくて良かった。
「えっ、早くない? 何で?」
「ひかるこそー、めちゃめちゃ早いじゃん」
「いや、俺は…」
何て説明したらいいか戸惑ってると、ふっかがふふっと優しく笑う。
「いーよ、分かってるから。照が俺に会いたがってるだろうなって思ったから早く来た。正解?」
「正解、だけど」
「ん、良かった。俺はちゃんといるから安心して」
「え、何で分かったの…」
「うーん、何となく。ごめん、本当に何となくとしか言えない感覚なんだよね。でも照が何か嫌な気持ちになって、俺がちゃんといるのか確かめたくて会いたがってるって思った」
全部正解。
話してるふっかの目は、昨日見たのと同じ不思議な光を放ってる。あの時はふっかが違う場所に行ってしまいそうでゾッとしたけど、今は何だろう。逆に安心する。
「じゃあ、俺が今何したいかは? 分かんの?」
「んー、ハグとちゅーかな」
「正解」
「なんて、俺がしたいんだけどさ」
ソファに座ったままのふっかを、上から包み込むように抱き締めた。それに嬉しそうに擦り寄ってくるふっかが可愛い。
キスもしたくて顔を覗き込むと、ほんのり頬を赤らめたふっかがそれはそれは可愛い顔で微笑んでた。
「俺はずっと照の側にいるから、大丈夫だよ。照のこと好きだから」
「ん、ありがと。俺も好きだよ、辰哉」
誰も楽屋にいないのをいいことに、しっかりと唇を合わせる。ふっかがここにいるのを確認したくてだいぶ深くしつこくなってしまったのは、まあご愛嬌だ。
もし、もしだよ。
辰哉が違う世界に取り込まれて戻って来れないなんてことがあったとしても。俺はいつまでもお前を探し続けるよ。そしてどんな手を使っても絶対に取り戻す。
超常現象なんかに、俺の想いは負けないから。
だから、辰哉も安心して俺の側にいて欲しい。
俺の独占欲、誰より知ってるのは辰哉だろ?
先日のいわふかラジオを聴いて思い付きました。
ふっかさんの「(違う世界に行ったら)戻って来れなくなる」が自分的には『そういう物に好かれてるから戻って来れない』に解釈出来てゾッとしてしまったのと同時に、いやあなたの隣にいるフィジカルもメンタルも最強なリーダーがおりますやんと、ひーくんの存在にほっとしてしまったもので。
実際ふっかさん第六感鋭そうだし、それだけ体験するってことは好かれる体質なのかもしれないしとオカルト好きが妄想した結果のお話ですw
いわふか初めてちゃんと書いたー。めちゃめちゃ楽しかったので、また書きたいです!