テラーノベル
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めめさく🖤🩷
「は? 何これ??」
とある映像を目にして、思わず声が漏れた。映像を観る目も鋭くなってる自覚はあるけど、俺はあんまり悪くないと思う。多分。
目に飛び込んできたのは、公式のショート動画。
そこでは佐久間くんと康二がぴったり密着して抱きしめ合ってた。
「は?? なにこれ???」
もう一度繰り返す。
そこまでものすごい高身長というわけではない康二の腕でもすっぽり感のある佐久間くん、めちゃめちゃ可愛い。体型で好きになったわけじゃないけど保護欲が刺激されて胸がきゅっとなる。可愛い。
でも駄目だ。これは駄目だ。
だって相手が俺じゃない。
これが俺の片想いだっていうなら、文句を言う筋合いもないだろうけど。俺、佐久間くんの恋人だからね。面白くない気持ちになっても許されると思う。
佐久間くんだって康二だって、俺が佐久間くんに対しては心が狭くて嫉妬深いのは知ってるはず。
こんな時、ここが日本だったら佐久間くんに連絡して会う段取りをつけて、 同じことをしてもらって気持ちを落ち着かせるんだけど。
残念ながら、ここはカナダだ。
「あー…佐久間くんを抱きしめたい。めちゃめちゃぎゅーって抱きしめたい」
天井を仰ぎながら一人言を呟く。ここがカナダで滞在してる家で良かった。
自分で決めたことだし後悔なんてしようもない。でも、こういう時は話は別だ。このままだと俺、帰国したら一番に佐久間くんに会いに行って足腰立たなくなるまで抱き潰す未来しか見えない。
(いや、日本にいた時もたまにやらかしてたか…)
涙目でプンプン怒る佐久間くんが脳裏に浮かぶ。ぷんすこしてるのも可愛くて全力で甘やかすと、その内「しょうがないなー」って可愛い顔で笑ってくれるんだ。
そんなことを思い出してたら、スマホの通知音が響いてビクッとする。手に取って見ると佐久間くんから。
『いま電話してもだいじょうぶか?』
「えっ」
考えてたことがバレてるわけじゃないけど、ちょっとだけ焦る。それに佐久間くんから電話なんて、珍しい。急いで了解の返事を送る。
送信して数秒後に、今度は電話の着信音が部屋に響いた。
「もしもし、佐久間くん?」
『よお、蓮! 元気か?』
「うん、元気だよ。佐久間くんは?」
『俺もちょー元気! なあ、テレビ電話にしてもいいか? 蓮の顔見ながら話したい!!』
何それそんな可愛いこと言ってくれるの?
「うん、もちろんいいよ」
『良かったー! ちょっと待ってて…よし。やっほー、れーん』
すぐテレビ電話に切り替えた佐久間くんが画面の向こうから手を振る。嬉しそうな可愛い笑顔に、思わず顔が綻ぶ。
「 佐久間くん、仕事は? そっちは今お昼くらいだよね」
『うん。朝イチの仕事と次の仕事の空きが長くてさ、一旦帰って来た』
「え、電話してて大丈夫?」
『うん、まだ時間あるから。それよりさ、蓮が拗ねてるだろうからご機嫌取っとこうと思ってさ!』
「え、どういうこと?」
『蓮のことだから、ショート動画もう見たろ?』
にこにこ笑いながら言う佐久間くんに、さっき見た映像が脳裏に甦る。それが顔に出てたんだろう。佐久間くんが声を上げて笑った。
『ふはっ、やっぱりなー。蓮、俺のこと大好きだもんな』
そう言いながら佐久間くんはすごく楽しそうだ。いや、どっちかというと嬉しそうかも。
「…分かってるなら何でやるの」
『その場のノリでしかないけど、でもごめんな? 終わった後に、絶対蓮は拗ねるだろうなぁって思って。時間見つけたし、顔見て話したいなって思ったからさ』
「俺、佐久間くんのことだけは心が狭いんだけど」
『ん、知ってる。ずっと側で見てたからな』
「その割には嬉しそうなのは何でなの?」
俺の指摘に目を丸くした佐久間くんが、直後にゆっくり目を細めて微笑んだ。少し頬を赤らめて小首を傾げて、それはそれは可愛らしい笑顔で。
『あれで拗ねちゃうくらい蓮は俺のこと好きなんだって、こんなに離れてても感じられるの嬉しい』
うわ、何それ。
そんな可愛い顔で、ちょっとだけ照れたような声で。7,500キロの距離なんて物ともしない破壊力は何なの。
思わず両手で顔を覆うと『蓮?』とちょっと心配そうな声が聞こえた。
「…しょうがないでしょう。佐久間くんが好きで好きでどうしようもないんだから。俺も愛してるよって返事したでしょ」
『う、ん…聞いた。あの場で返されるとは思わなかったけど』
「佐久間くんが愛してるよって言ってくれたんだから、愛してる以外に俺が返す言葉はないよ」
サプライズのビデオメッセージのことを持ち出すと、照れたように唇を尖らせる佐久間くん。
ああ、その唇に今すぐキスしたい。何でまだどこでもドアが開発されないんだろうって、半ば本気で考える。
画面の向こうの佐久間くんが、俺の顔を覗き込むように上目遣いになった。
『…機嫌、ちょっと直ったか?』
有栖
「ん、佐久間くんのおかげでだいぶね。残った分は帰ってからご機嫌取ってもらうから」
笑いながらそう言うと、佐久間くんも安心したように笑う。ちらっと腕時計に目をやったのは、多分もう時間だからなんだろう。
名残惜しいけど、そろそろ切らなくちゃ。
「ありがとう、佐久間くん。もうしぱらくは、俺があんまり嫉妬しないスキンシップだと嬉しいかな」
『難しいけど、ちょっと気を付けてみる。キャラ的にやっちゃうかもだけど…そしたらさ、蓮』
「うん、何?」
首を傾げると、佐久間くんの顔が画面にぐっと近付く。内緒話をするような距離感に、俺も少し画面に顔を近付けてみた。
頬をほんのりと桜色に染めた佐久間くんが、甘い甘い声で囁いた。
『帰国したら一番じゃなくていいから、俺に会いに来て。そしたら…次の日のことなんてどうでもいいから、一晩中俺のこと抱いて?』
「…えっ?」
『そ、それで全部チャラってことで! じゃーな、蓮! またな!!』
びっくりして聞き返した俺を置いて、真っ赤な顔の佐久間くんが通話を一方的に切った。
何だ今の。
一晩中…? え、いいの??
佐久間くんからの電話が来る前にしていた妄想を思い出す。あれ、実現してもいいんだ。
そんなことをぼんやり思っていると、短い通知音が鳴った。
『さっき言ったの本気だからな! あと、大好きだぞ蓮!!』
佐久間くんからの駄目押しのメッセージに、もうにやにやが止まらなくて。誰が見ているわけでもないけど思わず顔を伏せた。
「俺も大好きだよ、佐久間くん。帰国する日がすごく楽しみになった。たくさん愛してあげるから、待っててね」
返事は文章じゃなくて、ボイスメッセージにして送ることにした。びっくりさせられたことへのお返しと、あとは何となく声で届けたくなったから。
このメッセージを聴いた佐久間くんがどんな反応をするか、見られないのが残念だけど。
佐久間くんの真っ赤な顔と、帰国して再会したらどんな風に愛そうか思いを馳せながら送信ボタンを押した。
さっくんと康二のハグを見て体格差にきゅんとなりつつも、めめは嫉妬で大変だろうなぁと思って突発ですが書いてみました。
うちのさっくんはそーゆーことにも積極的なタイプで、恥じらいながらもグイグイいったりします。
が。
果たしてあんな約束しちゃって大丈夫なんでしょうか? めめの帰国後にとんでもないことになる予感しかしませんがw
でも約束したからには、一晩中頑張れさっくん! ww
コメント
6件
もぉ( ○'н' ) またこんなラブに溢れたお話書いて~ 朝からニヤニヤが止まらなくなってしまった( *´艸)💕 さっくん可愛過ぎる!! ぷんすこさっくんが可愛いのも激しく同意です-w-w あのショート動画は凄かった あんなぎゅうぎゅうに抱きつきますかね(笑) 流石0距離の2人( ノ^ω^)ノ そりゃヤキモチも妬きますわ~
あの動画見たら絶対めめが嫉妬するだろうなとは思ってました🤭 色々妄想膨らみますよね♡ すぐに素敵なお話かけて羨ましいです🥹
はぁっ!可愛い、です!! あんなショート上がったばかりだというのに、きゅんとするお話ありがとうございます!