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じゃがいも🍟(仮
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「,,,,え何これ」
気がついた時、シンクに水が溢れていた。それは足元まで流れ始めていて水の入口を塞ごうとしても止められそうになかった。
「そんな、そんな!」
トイレットペーパーを取り出して押さえつけるも、役に立たなかった
「じゃあこっちは!」
タオルを取り出しても隙間から漏れ出してきていた
「あっちは」
そう思って振り返るとガチャっと音を立ててドアが開いた。
「,,,,水が溢れているね。俺がやっとくよ」
彼は何かをし始めていた。
「,,,,なんで、ここにいるんだ」
「,,,,,,,,,,,,え?」
「なぁお前は誰なんだ?答えてくれないか」
全く身に覚えがないんだ。どこかでは覚えてるのかもしれない。でも思い出せないんだ。
「,,,,誰だと思う?」
「え」
男だ
近所に住んでいる人?職場の人?それとも身内か。父、兄、そして弟,,,,それ以外だとしたら,,,,いやそれはない。でも
「,,,,恋人?」
ポツリと呟いたが俺はかき消すように
「いや、弟か?」
そう答えた。俺よりかは身長が高いがどこか幼い気もしたからな。
そう、正解だよ。
その言葉を期待していたが
「,,,,うん」
ただそれだけ。彼はドアを指さした。
「あっちに行ってな。ここは俺がやるからさ」
「でも俺がしたんだし、俺も」
「俺が!やるから!!」
思わずビクンとしてしまう。顔は見れないがその強さに何かを感じ取ってしまったのだ。
「,,,,言う通りにしてくれよ」
「,,,,そうだな」
ごめんとも言えなかった。リビングにいってただ椅子に座りぼんやりとしていた。
明日仕事だったよな、じゃあ今日は早く寝ないといけないな。それにご飯もつくらないといけない。やること、たくさんあるじゃないか
「お風呂、入る?」
彼がそういって出てきた。
「うん」
そう答えると彼は奥からタオルやら服やらを持ってきた。そして俺の手を引っ張って先程の場所まで連れてきた。
「はいばんざーい」
「え」
彼は勝手に俺の服を脱がせてきた。あっという間に脱がせたかと思えばドアを開けて雲を大量に部屋に招き入れた。
「また後で」
そして出ていった。
「昔は、湯船になんか入らなかったのに,,,,なんだこれ」
大量のお湯がその湯船の中に詰まっていた。チャポンと入るとなぜか安心できた。
「あったかい」
だからだろうな。でも心の底でなぜか
「怖い、,,,,,,,,怖い」
そう思った。早くここから出たい、もう十分だ。そう思ったのに体は動かなかった。
目を覚ます
いつもの俺のベッドだった。なぜだかウトウトという感覚もないために起き上がり立ち上がろうとしたが何かにすべってコケてしまった。そこを見ると服が散らかっている。何があったのだろう。不思議となにも心配がなかった。
腹は減ってないがなぜだか動かないといけない気がした。
廊下にでるとカラフルな足跡が残っていた。その道筋を辿っていく。着いた先は部屋。アルファベットで
「【A・F・J】,,,,?」
その横にはメガネのシールだろうか、それが貼られていた。コンコンコンとノックをして入室する。資料も散らばり、服も散々な配置をしていた中でただ一人青年が椅子にも座らずベッドにもたれかかるようにして地べたに足を付けていた。少しずつ歩み寄って髪を触る。質は悪いがフワフワしていた。その感覚に気づいたのか青年はこちらを急いで見た。
「あ、悪い。起こしたか」
「,,,,ううん起きてたからいいよ」
力なく彼は笑った。確か、名前があったはずだ。その名前は
「アル」
多分そう。言うと彼は少し驚いたような顔をしてたから多分あってる。
「うんそうだよ。おはよ」
「おはよう」
だがどことなく元気がなさそうだった。ベッドに腰を落として聞いた。
「元気がなさそうだな。どうした、何があった。話してみろ」
「,,,,少しだけ、疲れてたんだ」
「疲れてた」
「うん、そう。」
「どうして?確かに最近忙しそうだったな。でもお前ぐらいならいつもすぐ終わらせて、そんでここに来てたじゃねぇか」
「生憎そんな都合のいいこともなくってね。,,,,終わりの見えない、そんなものを抱えているから」
「大変だな」
「,,,,,,,,」
そういうと黙ってしまった。いつも通りに頬を持ってこちらを向かせる。
「,,,,なんで泣くんだ」
「なんで、だろう」
「ここには俺だけだ。なぁ、お前の声を聞くのは俺だけ。」
「怖い」
「怖い?」
「好きな人の世話を焼くのがめんどくさくなるのが、大好きな人を守れなくなるのが、愛する人に酷いことだけじゃなくて手も出そうになるのが、」
「うん」
「,,,,世界で1番、何に変えても誰よりも愛している人が、俺を忘れるのが忘れてしまうのが」
怖い
ポツリとまたそいつは呟いた。
あぁ、そうか。やっといま少しだけ思い出せた。記憶の断片、少し前に資料で見た事。
【報告 漂流されていたとされる英国のお体が発見されました。船の沈没によって乗客の中に紛れ込んでいったと推測されます。以下、今後の見通しです】
発見された当時、頭から大量の出血が見られました。特に前頭葉または側頭葉内側部に多大な損壊を確認致しました。
残念ですが
これから英国はこれまでの記憶全てを失っていくでしょう
なので米国様には心苦しいことでしょうが、
英国をこちらで管理させていただきたい。