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りょん.
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#Mrs. GREEN APPLE🍏
こんぶ@ミセス推し
743
🍏ミセス🍏
51
「……っ、けほっ」
ある日のリハーサル中。
軽く咳き込んだ涼ちゃんは、口元を押さえた手を見て固まった。
掌の上には、小さな白い花びらが一枚。
「……え?」
慌てて誰にも見られないようにポケットへ押し込む。
「涼ちゃん?大丈夫?」
元貴の声に、いつもの笑顔を作った。
「うん、ちょっと喉が乾いただけ。」
そう言って誤魔化した。
⸻
それから数日。
咳をするたびに花びらが増えた。
一枚だったものが三枚、五枚。
胸の奥が締め付けられるように痛くなり、呼吸もしづらい。
夜中、一人で咳き込んでは洗面台に散らばる花びらを見つめる日々が続いた。
「……なんなんだろ、これ。」
さすがに不安になり、誰にも言わず病院へ向かった。
⸻
検査を終えた医師は静かに口を開く。
「藤澤さん。“花締病”です。」
「……花締病?」
「想いを伝えられないまま恋心を抱え続けることで発症する、非常に珍しい病気です。」
涼ちゃんは息を呑んだ。
「進行すると花びらだけでは済みません。呼吸困難や高熱、意識障害を起こすこともあります。」
「……治療法は。」
医師は少しだけ表情を曇らせた。
「想いを寄せている相手に、その恋心を受け入れてもらうことです。」
「……。」
「受け入れられれば病気は治ります。しかし——」
その続きを聞かなくても分かった。
受け入れてもらえなければ。
花は増え続ける。
命を落とす人もいる。
⸻
病院を出た涼ちゃんは苦笑した。
「……無理だよ。」
相手は若井。
ずっと隣にいる大切な人。
だからこそ、言えない。
もし気まずくなったら。
もしバンドの空気が変わったら。
もし困らせたら。
そんなことを考えるだけで怖かった。
「このままでいい。」
そう決めた。
⸻
それからは薬で症状を抑えるだけの日々。
しかし薬は根本的な治療にはならない。
ライブ中も。
収録中も。
Vlogでも。
眠そうな顔や苦しそうに息を整える姿が映ることが増えていった。
ファンはSNSで心配し始める。
「涼ちゃん最近大丈夫?」
「疲れてそう…。」
「ちゃんと休めてる?」
本人は「ありがとう」と笑うだけ。
誰にも本当の理由は言わなかった。
夜、一人になると洗面台に向かい、咳き込む。
「けほっ……けほっ……!」
ぱらっ。
ぱらぱらっ。
白い花びらが何枚も落ちていく。
苦しくても、涙が出ても。
「好き。」
その一言だけは、どうしても若井には伝えられなかった。
次回5000
コメント
1件
うわあ、これ…めっちゃ切ない設定ですね。花締病って言葉がもう胸に突き刺さる。涼ちゃんがライブやVlogで必死に隠しながら「大丈夫」って笑顔作るシーン、見てるこっちが苦しくなりました。「好き」って一言を言えないまま花びらが増えていく怖さと、若井くんへの想いの純粋さが同時に伝わってきて…続きが気になりすぎます。