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『君、名前は?』


いきなり女子に話しかけられるからびっくりした。



しかも……



「孤爪……研磨」



『孤爪研磨くん! 孤爪くん!よろしくね!


私の名前は……』



「知ってる……」



『え?』



そりゃあだって、



「よく知ってる……」



君はこのクラスで……


なんならこの学校の中で……



目立つのが嫌な俺にとって唯一対照的な存在____




「田中、美貴さん、でしょ?」



『え、なんで知ってんの!?』



そりゃあね……?



「この学校の……有名人だからね……」



『ええええ!?!?』



そんな、有名人な彼女は


大袈裟かと思うほど大きなリアクションをして____





『私、有名人なの!?』


「……うん」


『ええまじ!?佐藤氏知ってた?』


佐藤「知ってたww」


『まじか言えよwwもっと陰キャで過ごさなきゃじゃんww』


「手遅れ……だね」


佐藤「あっはっは!言われてんじゃん!」


『もう〜www』



『ま!改めてよろしくね!孤爪研磨くん!』




笑顔でそう、言う彼女は____



綺麗、可愛い、色々


有名な理由はあるけれど



あまりにも


普通に笑うから____





俺は、不覚にも



「うん……よろしく、田中さん……」




その笑顔に魅入ってしまったんだ____

音駒高校恋愛日誌

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