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とことこと、ゆっくり
階段を上がる
キィィそういう音を立てながら、屋上のドアを開ける
本当は駄目なんだけど、勝手に鍵借りてきちゃったなぁ、…w
やばいなぁ、…なんて思いながら
靴を脱ぎかけた時に青髪の青年に声を掛けてしまった
『なぁ、…辞めた方がええで?』
そう声を掛けるとくるりとこちらを向いて
驚きの目で見られた
めんどくさいし、どうでもいいのになんとなく声を掛けてしまった
まぁ、先を越されるのが癪だったそうとも言えるけどな
青髪の人は語る
どっかで聞いたような事
「大好きな仲間だった」
「どうしても愛されたかった」
は、?そんな事だけで?
『ふざっけんな!!!そんな事くらいで僕の先を越そうだなんて!!!!』
『大好きな仲間が目の前で裏切った悲しさも知らずにさ!!!』
そう怒鳴ると悲しげな瞳で
「話したら楽になったわ、…ありがとうな」
青髪の人は消えていった
さぁ、今日こそはと靴を脱ぎ掛けたらそこに
キャスターを吸いながら柵の上に座る人が居たんだ
気がついたら声を掛けてしまった
少し困惑した顔でくるりとこちらを向く
そして、語りだす
「スパイとして、アイツらのとこに行ったんやけどさ」
「俺さ彼奴らの事、好きになってしもてん」
「やけど、んな事は無理やからって悩んでる時に、アイツらにスパイやって事がバレてん、…」
「んで、追い出されてしもたんよ…w、」
そんなことぐらいで?
『ふざっけんなッッ!!!!そんな事ぐらいで僕の先を越そうだなんて』
『スパイって言うことがバレて、痛めつけられて、総統自ら出ていけって言われたことも無いくせに』
『自国では、愛されて暖かいご飯もあるんやろ?』
「…お腹が空いた」
と泣いてキャスターの煙草の箱を持って消えていった
そうやって何人かに声を掛けて追い返して
僕自身の痛みは誰にも言えないまま
初めて見つけたんや、似たような悩みの子
何人目かに会ったんだ
青色のジャケットを羽織った人
こちらを向いてふわりと笑いながら
『自国に帰る度に増え続ける痣と、彼奴らに見放されたって言う絶望感を消し去ってしまう為、ここにきたんや』
と言った
口をついて出ただけ、ホントはどうでも良かった
思っていないこと、でも声を掛けてしまった
『なぁ、……辞めてや』
あぁ、どうしよう、この人は止められない
僕には止める資格がない
それでも、
『此処からは消えてや、…君を見てるだけで苦しいんや』
「…………んふ、…w、…そか、じゃあ今日はやめておくよ」
と少し微笑みながら笑って涙目になったかと思いきや、目を隠してそのまま消えていった
今日こそは、誰もいない
僕1人だけ誰にも邪魔されない
青色のジャケットを脱いで
煙草をおいて、
青色の髪を整えて
裏切り者の|俺はアイツらの前で銃を頭に構えて
そして笑って
『皆大好きやったよ』
そう伝えたんや