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⚠️戦争賛美、政治的な意図は決してございませんのでご了承ください
⚠️史実とは一切関係ありません
⚠️史実ネタでもございません
⚠️すべて、私の妄想です。
⚠ATTENTION⚠
・BL
・ロシアメ
・病気パロ
・なんでも許せる方向け
露→ロシア
米→アメリカ
では、どうぞ⬇
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
アメリカの五感の低下は、またひとつ段階を下っていた。
呼びかけに気づくまで少し時間がかかり、手に触れたものの温度が曖昧で、足取りはふらつく。
そんな状態だからこそ、ロシアは一秒たりとも離れようとしなかった。
部屋の出入りも、食事も、移動も。
ロシアが必ず横に立つ。
だが、その距離は“介助”を越え、“占有”に近くなりつつあった。
医療室の前。
カナダ、イギリス、フランスが深刻な顔で集まっていた。
加「このままじゃ…兄さんが精神的に追い詰められるよ…」
カナダの声は震えている。
英「ロシアさんの気持ちは分かりますが…あれは”依存”です」
イギリスが眉をひそめた。
仏「介護は分かるけど、視線まで外さないのはさすがに……」
フランスも同意する。
三人が医療室の中へ入ると、ロシアはアメリカの椅子の横で静かに立っていた。
アメリカは視界の揺れと聴覚の弱まりに耐えるように目を伏せている。
英「ロシアさん、少し距離を置くべきですよ」
イギリスが代表して声をかける。
仏「ロシア……その、看病に疲れてない?少し休んでも――」
露「休まない。」
ロシアの声は固い。
フランスが続ける。
仏「気持ちは分かるけれど、あまりに付き添いすぎだよ。医療スタッフに任せた方が――」
露「任せない。」
空気がピリッと緊張する。
カナダは勇気を振り絞って、やや強めの口調で言った。
加「ロシア、本当に……距離が近すぎるよ!
兄さんは、君の気迫に押されて疲れてしまうかもしれないよ!!」
ロシアの肩が、僅かに震えた。
ロシアは、ゆっくりと振り返った。
その目の色は、これまでの静けさとは違う。
限界まで張り詰めた糸が、あと一歩で切れそうな光を宿している。
露「……距離を置け?」
低く、抑えた声。
露「俺に、離れろって言うのか?」
イギリスが少し言葉に詰まる。
英「い、いえ……離れろというより、少し――」
露「”少し”でも離れたら、その間に何かあったら誰が責任を取る?」
ロシアの声が震えていた。
怒りだけじゃない。
恐怖と焦りが混ざり合い、どうしようもない感情が溢れそうになっていた。
フランスが慎重に言葉を選ぶ。
仏「…ロシア……でも、このままじゃ君が壊れ――」
露「じゃあ何だ。」
ロシアの声が、一瞬で鋭く跳ねた。
露「このまま放っておけって言いたいのか?」
医療室の空気が完全に凍りつく。
カナダの顔が青ざめ、イギリスも言葉を失った。
あまりにも正面からぶつけられた怒気に、誰も反論できない。
フランスがわずかに口を開きかけたが、何も言えずに閉じる。
ロシアはその沈黙を肯定と受け取ったのか、目を細めた。
露「……俺は放っておけない。 お前らがどう言おうと、離れない。」
その声は怒りよりも、痛みに近かった。
アメリカは、完全に会話の内容を聞き取れたわけではなかった。
ただ、ロシアの声だけは他より少しだけはっきり届いた。
怒っている。
でも、それ以上に……震えている。
「……ロシア……」
名前を呼ぶと、ロシアはすぐ振り返る。
「大丈夫だ。全部俺がする。
誰にも任せない。」
アメリカは胸の奥で小さく息を飲んだ。
――自分の弱っていく五感と、
――ロシアの強すぎる想いが絡み合うこの状況。
不安もある。
でも、拒む力はもう残っていない。
周囲は黙り込み、ロシアはアメリカのそばに戻る。
その背中には、誰も近づけない“境界”ができてしまっていた。
続く…
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
おかえりなさい。
本当は6時に投稿する予定だったんですけど、外に出てて遅れました…💦
もう夜ですね………
《リクエストについて》
現在リクエストはお断りしています。今いただいてもお答えできませんのでご了承ください
では、閲覧ありがとうございました!