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⚠️戦争賛美、政治的な意図は決してございませんのでご了承ください
⚠️史実とは一切関係ありません
⚠️史実でもございません
⚠️すべて、私の妄想です。
⚠ATTENTION⚠
・BL
・ロシアメ
・病気パロ
・なんでも許せる方向け
米→アメリカ
露→ロシア
では、どうぞ⬇
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
アメリカの体調は、ゆっくり、だけど確実に悪化していた。
聴覚はさらに弱まり、声が“水の中”から聞こえるように遠い。
触れたものの温度は相変わらず曖昧で、どれだけ毛布をかけられても暖かさが分からない。
歩くときはふらつくのが当たり前になった。
本人は、誰よりもその変化を理解している。
けれど――そこに寄り添うようにロシアの存在があることで、危機感よりも“頼らなければ”という気持ちが勝ってしまっていた。
アメリカがコップを落とした日。
ガシャーン…と落ちたガラスの音は、アメリカにはほとんど聞こえなかった。
ロシアはすぐ手を伸ばし、アメリカの肩を支える。
露「触るな、アメリカ。」
米「……触るなじゃなくて、危ないだろ……」
露「危ないから言ってる」
ロシアの声は静かだけど、どこか切迫した響きを含んでいて、アメリカは反論しづらくなる。
ロシアは落ちたコップを片付ける手を止めないまま、ぽつりと言った。
露「……俺しか、お前を守れないんだ。」
米「ロ、ロシア?」
露「誰もこの病気を理解できない。誰もお前の変化に追いつけない。 分かるのは……俺だけだ」
その言葉は、支えを越えて、思い込みの色を帯びていく。
アメリカは胸の奥に小さな不安を抱いた。
その日の夜。
ロシアはアメリカの寝室の椅子に座り、じっと見つめていた。
眠っているか、苦しくないか、呼吸の音を確かめるため。
もちろん、アメリカのためを思っての行動のはずなのに――
その視線は強すぎて、重すぎて、逃げ場がない。
アメリカは薄く目を開けて、静かに声をかけた。
米「……ロシア、寝ないのか?」
露「寝る。お前が眠ったら」
米「もう寝てるようなもんだよ……」
露「だめだ。目を逸らしたら、何か起きるかもしれない」
ロシアは椅子から動かず、ただじっとアメリカの影を見つめ続ける。
アメリカがほんの少し肩を震わせたのに気づくと、ロシアがすぐ側に寄った。
露「どうした。寒いのか?」
米「……違う。違うけど……なんか……」
言えなかった。
胸に刺さった”怖い”という感情が、うまく言葉にできない。
ロシアはその震えを、ただの体調変化だと思い込んだまま、毛布をもう一枚かける。
目の前で、ロシアの影がアメリカを覆い尽くしていく。
それは安心と同時に――逃げられない檻の形にも見えた。
アメリカはそっと拳を握りしめる。
米『……怖い。でも……ロシアがいないと、何もできない』
そう気づいてしまった瞬間――
アメリカの中で、何かがふっと折れた。
翌朝。
アメリカが歩こうとしてよろめいた瞬間、ロシアは反射的に抱きとめた。
露「危ない。言っただろ、俺の側から離れるな」
米「……わかってるよ」
ほんの少しだけ、声が弱い。
それをロシアは体調のせいだと思うが――
実際は違う。
アメリカは、もうロシアを拒めなくなっていた。
自分で判断するより、ロシアに判断してほしい。
動くより、ロシアに任せた方が早い。
怖さや戸惑いよりも、今は”支えてほしい”が勝ってしまう。
米『……戻れないんだな、これ』
喉の奥まで出かかったその言葉を、アメリカは押し込んだ。
ロシアは優しく手を取る。
でもその優しさは、確実に逃がさない強さを帯びていた。
露「大丈夫。俺がいる」
その言葉は甘く響くのに、消えない不安が胸に絡む。
けれどアメリカは笑ってしまった。
弱々しく、どこか諦めたように。
米「……うん。分かった。」
その瞬間――
二人の関係は、完全に戻れない形に固まった。
続く…
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
おかえりなさい〜
最終話まで一気に書いたので、もう終わりまでいきそうです。
今週中には完結すると思います
あとは誤字、脱字の修正だけ確認
《リクエストについて》
現在リクエストはお断りしています。今いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
では、閲覧ありがとうございました!
おやすみなさい