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独断独死

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独断独死

13 - 丸十三 包囲

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2023年04月01日

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「…2つの能力を持っていたとしたら、

もうひとつは何だと予想できる?」

「…恐らく、能力の無効化です。私と

戦闘していた時、時織治によって私の

能力空間が解除されました。」

「そうか、ならばあの作戦は実行可能だな」

幹部全員が「あの作戦」について知らなかった

ため、カノが真っ先に聞いた

「おい!あの作戦ってなんだよ

聞いてねぇぞ?」

「あぁ、そうだな、いろいろなケースを

想定して立てた作戦だ」

「…今その作戦について、話せますか?」

「そうだ、その話をしにこの会議を

開いたんだよ」

「作戦名は根元崩し、組織の根本である

鰄郎の集中攻撃と時織治の精神的攻撃だ」

「なるほど、まるでジェンガですね」

「そうだろう?基本さえ崩してしまえば

応用なんかできるはずがない」

そこに、カノが口を挟んだ

「集中攻撃?精神的攻撃?具体的に何すんだ

具体的に!」

「うるさいですよ、カノさん、いい加減

ハタチなんですから余裕を持ちましょう」

「何だバドラ?時織治ごときに毒の侵入

を許したマヌケが言えることかよ。」

「正直、確かに私も毒の侵入に気づけなかった

ことには驚きました、ただ、時織治の能力は

首領と私のアンチ対象です、一方カノさんは

その乱暴で幼稚な頭脳で一掃できる。」

「本当に俺を怒らせたな?」

「落ち着けカノ、殴るぞ」

喧嘩の仲裁として、デロルトが割り込んだ

「…クソが」

「それとカノ、時織治を見誤るな、死ぬぞ」

「黙れデロルト、失敗なんかしねぇよ」

「では、詳しいことは次回の会議で伝える。

皆、しっかり体調を万全にしろ」

そうして、第60回逆黒大会議は幕を閉じた


約3時間前…

「では治君、この方の世話をお願いしたい」

「えっと…」

鰄郎が指したのは、20代くらいの若い

女性と、小学生くらいの小さな子供だった

「2人分の世話代はこちらで負担するよ。

頼めるかな?」

「は、はい!もちろん」

「それじゃ、2人で自己紹介をし合って

もらおうか」

すると、女性の方から近づいてきた

「あの、私は久野 空と言います、21歳です。

こっちは息子の寛太で、まだ小3です」

鰄郎が頷いた

「さぁさぁ、治君も!」

「え、あ、えと、俺は時織治と言います。

よろしくです」

「それじゃ、治君の家に行こうか」

「あ、はい」

その後3人は、車に乗り治の家へと向かった

「ほら、ここが今日からの君たちの家だ」

そこには、いつもよりも清潔な雰囲気

いつもよりも広い治の家が広がっていた

「っ、これは」

「日頃から君には世話になっているからね。」

「そんな、世話になっているのはこっち

なのに」

「治君、人の良心は快く受け入れるものだよ」

いつもよりも穏やかな表情で、暖かい

感じの言葉を言われた治は、言葉を

発することが出来なかった

「さぁ、2人はここでリラックスしてねー!」

「あ、ありがとうございます!ほら、寛太

言うことあるでしょ」

そう言われた寛太は、恥じらいを持ちながら

言った

「ありがとう…兄ちゃん」

その瞬間、治の心は今までにない境地に

放り込まれていた

何か心が熱いような、そんな感じがする

生まれてからこんな気持ちになったことは

1度もなかった

「治君、こっちに」

治は鰄郎と一緒にカフェへと向かった


暗丸カフェにて…

「…あの二人について話をする」

この時の鰄郎は、いつもよりも険しい顔を

していた

「あの二人は1度、目の前で父親を殺され

ている。」

「っ、それは…本当ですか」

「あぁ、子供は物心着く前の出来事だから

あまり覚えてないが、母親はあの事件から

ずっと心を閉ざしている。」

その時、店員が飲み物を運んできた

「こちら、キャラメルマキアートになります」

店員がマキアートをテーブルの上に置いた

「ほら、飲みな」

鰄郎は、置かれたマキアートを治のところへ

移した

「あぁ、ありがとうございます」

「話の続きだけど、なぜ空さんと寛太君が

君の家に住むことになったのかについて

話そう」

鰄郎は水を飲んでから話した

「あの二人は今、クロネアに狙われている」

「…それは何故です?」

「空さんがクロネアの秘密を握っている

からだ」

「でも、空さんは自分がクロネアの秘密を

握っていることを知らないし、そもそも

クロネアの存在自体知らない」

「そこで、護衛能力、戦闘能力が最も高いと

見込んだ君に頼んだんだ」

「高い…ですかねぇ」

「あぁ、君のその能力は、人を助けるし、

人を傷つける、その違いさえきっちり理解

出来ている限り、君は最高の人員さ」

「さーて、私は用事があるから、ここらで

さよならだ」

「あ、はい!」

「…2人を、守り抜いてくれ」

治は知っていた、鰄郎は覚悟を決めた人間

の目をしていた


その日、鰄郎はショッピングモールへ買い出し

に来ていた

「えーと?トイレットペーパー…牛乳…

こんにゃくと…」

「…なんだ?」

鰄郎は、とある違和感を感じ取った

ショッピングモール内に、人1人いないのだ

「…なるほどね」

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