「あがる体温と空気の密度」
「あ……赤桐(あかぎり)くん……?」
さっきからいったいどうしたんだろう。
おそるおそる尋ねると、彼は唇を結び、ベンチを回りこんで私の腕をとった。
「ちょっと来て」
言うが早いか、赤桐くんは驚く私を引っ張って、どんどんどこかへ歩いていく。
「ちょっと、赤准(あかじゅん)!!」
お弁当を広げたままのあかねがベンチで叫ぶけど、赤桐くんは振り向きもせずにさらに足を速めた。
(なっ、なに……)
赤桐くんに引きずられる 恰好(かっこう)の私は、わけがわからず、掴まれた腕と彼の背中を交互に見る。
赤桐くんの手はがっしりしていて、温かい。
腕を引っ張られた時は一瞬びくっとしたけど、男の人に 触(さわ)られた怖さは感じなくて……すこし驚いた。
(ほんとに赤桐くんは大丈夫なんだ……)
驚いているうちにどんどん引きずられていき、赤桐くんは裏庭のはず******************
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