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#独占欲
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「ありがとうございました。部長のおかげです。わ、私」
部長が好きです。
そう言うと、振り返って部長の頬に唇を寄せた。
甘く蕩ける部長に抱き締められて、
嬉しくて切なくて、胸が締め付けられて、
上手く息が吸えなかった。
カーテンも取り払われて、ベット以外は段ボールが壁に並べられている部屋。
真っ暗にしても、外からの明かりが入ってきて、淡く部長の体を浮き立たせる。
緊張して指が震えて上手く脱げない私の手を取り、一緒に脱ぐのを手伝ってくれた。
額から頬、頬から首筋、首筋から肩。
流れるように部長の唇が私の体に触れていく。
声を我慢しようと唇を噛むと、耳を舐められて邪魔された。
甘い陶酔が身体中を支配して、
思考や理性が奪われていく。
もう恋なんて……と諦めていたけれど、
やっぱり身体中を幸せにしてくれる、逃げ出したいような甘酸っぱい気持ちに満たされると、
部長を好きになれて本当に良かったって思う。
部長の声が好き。
意地悪な唇も好き。
大きな包み込んでくれる手が好き。
全部、全部、――好き。
部長だけは、どうか。
もう離れたくないって心から思った。
見上げた部長の顔を見たら狂おしくなる。
少し湿った腕にすがるように指を滑らせると優しく微笑んでくれる。
怖いなんて気持ちを、優しく包み込んでくれるように。
部長がベットサイドに腕を伸ばして、何かを口に咥える。
咥えたものを歯で挟み、器用に片手で破いていく。
それがゴムのパッケージだと分かった時、涙がぶわっと溢れだしてしまった。
「――怖い?」
部長に心配げに聞かれて、顔を覆って隠す。
「だっ……て、つけなっ……ても妊娠しなっ……」
そう泣き出すと、部長がクッと笑い、額に唇を寄せる。
「好きな女の身体を大切にすんのは、当たり前だろ――?」
好きな女……。
部長に大切に思われて嬉しい。
私の気持ちも伝わるだろうか。
泣きすぎてくしゃくしゃな可愛くない顔だけど、
恐る恐る伸ばした手で部長の頬に触れる。
「ありがとうございます」
そう笑ったら荒々しい唇で塞がれてしまった。