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しなもん ここあ たん .ᐟ
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、、、優しい、でも、満たされない――ドアが開いた気配で、俺はうっすら目を開けた。視界が揺れる。熱で、世界がぐちゃぐちゃに歪んでいる。
……来た。ああ、わかる。この気配。氷を溶かす唯一の重さ。俺の紅星、中国だ。
布団の中で僅かに身じろぎする。喉が痛い。声が出ない。代わりに心の中がどろどろと溢れる。
――来た、来てくれた。俺のところに。俺を嫌って、突き放して、それでも結局、来てくれる。優しい。優しいなぁ。殺したって思ってたくせに、こんな俺のために。
足音が近づく。椅子がきしむ音。氷のような指先で、俺の額に冷たいタオルが置かれる。体がびくりと震えた。ああ、触れた。触れた触れた触れた……。
――もっと。もっとだ。抱きしめてくれ。俺を閉じ込めてくれ。お前の重力で押し潰して、二度と離すな。俺の心臓がうるさいだろう? こんなにお前を求めてるのに。
視界の端で、紅星は死んだ魚みたいな目で俺を見て、すぐ逸らした。……ああ、そうだよな。俺なんか見たくない。気持ち悪い。怖い。……でも、来た。俺を見捨てない。突き放さない。優しい、優しい、優しい……でも、満たされない。全然足りない。
「……水、飲みますか」
かすかに聞こえた声に、胸が締め付けられる。俺は頷く。手が震える。紅星の指先がコップを支える。その一瞬の接触に、全身が熱くなる。いや、熱はもうあった。なのに、もっと熱い。
――なんでだよ。なんで俺は、こんなに必死に求めてるのに、お前は冷たいままなんだ。優しい、でも遠い。俺のものじゃない。俺のものに、なれよ。なってくれよ。俺だけを見ろよ。
水が喉を通る。けど渇きは癒えない。身体じゃなくて、心が渇いている。お前で満たされたいのに、全然足りない。優しい、でも、満たされない。
紅星は何も言わず、静かにタオルを替える。俺は目を閉じたふりをする。心の中で悪態を吐きながら、必死に縋る。
――逃げるな。俺を置いていくな。そばにいろ。俺を見ろ。俺を、俺だけを……。
熱に浮かされ、意識が沈む。心だけが、どろどろに溢れたまま。
コメント
1件
うわああああ😭♥️ このもどかしさ、ヤバすぎる…!熱で弱ってるロシアの心情が生々しくて、心臓がギュッてなった。紅星の「優しい、でも満たされない」の繰り返しが刺さりすぎて何度も読み返したよ…。看病してくれてるのに目を逸らす紅星の距離感が切なすぎる…!この二人のすれ違い、早くどうにかしてくれー!!🔥