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眉済「…そうか。ゆっくり休めよ」

電話を切るなり、眉済の兄貴は不信そうに顔をしかめた。

龍本「どうかしました?」

眉済「あぁ、伊武がな…体調不良で休むそうだ」

龍本「!…そうですか」

兄貴に合わせるように、俺も苦い顔をする。いくらうちが武闘派とはいえ、あいつがいないのはかなり痛い。

眉済「だが、何かおかしい」

龍本「え?」

兄貴の言葉に、俺は首をかしげた。

眉済「あいつにしては電話を切るのが早かったし、いつもより早口だった。…正直なところ、あいつは体調不良以外の理由で休んでるんだと思う」

疑うことを知らない、確信している目だった。

やはり、長年もの間俺達と共に過ごしている兄貴だ。洞察力が並大抵ではない。

龍本「…じゃあ、それが合ってたとして、何で今日あいつは休んでるんですか?」

眉済「あいつのことだからな、きっと何か事情があるんだろう」

兄貴は考え込むようにうつむいていたが、しばらくして何か思い付いたようにふと頭を上げた。

眉済「龍本…お前、伊武の様子見に行ってやってくれねぇか」

龍本「はっ?!」

眉済「嫌なのか?」

俺は一瞬、ぎょっとした。

眉済「あいつが理由なく休むとは考えにくいからな、真相が知りてぇんだ」

龍本「は、はあ…」

でも、それは俺も知りたいことだ。俺はこの提案を飲むことにした。


龍本「はー、マジでビビったわ」

眉済の兄貴のあの提案には、ほんとに肝が冷えた。

龍本(俺と伊武が恋仲にあるって、バレたのかと思ったよ…)

伊武の様子見には恋人であるこいつが適任だろう、なんて考えられてたら、たまったもんじゃねぇからな。ひとまずバレたわけじゃなさそうで良かった。

俺はそれからしばらく歩いて、伊武の家に着くと、インターホンを鳴らした。すると―

伊武「…はい」

龍本「…ん?お前…?」


龍本「えー、まず…お前、伊武…だよな?」

伊武「は、はい…」

俺は自分の目の前にいる(おそらく伊武である)不審な男を訝しげに眺めた。

龍本「何で、屋内で帽子被ってんだよ?しかもそれ、明らかサイズ大きすぎだし」

伊武「…これは…」

こんな風に質問しても、言葉を濁してばかりだ。

龍本「眉済の兄貴も、心配してたぞ?いつもと様子が違ぇって」

伊武「!…」

龍本「無理強いはしねぇが、教えてくれてもいいんじゃねぇのか?」

俺がそう言うと、伊武は悩むように帽子のつばを下に引いた。そのまま考え込み、しばらくしたとき。

伊武「…龍本の兄貴になら、ちゃんと話します」

龍本「!…おう」

伊武「ただ…誰にも言わないで下さいね」

そう言って、伊武は被っていた帽子をとった。その頭を見たとき、俺は我が目を疑った。

龍本「…は…?」

頭に付いている、黒く、モフモフとした三角の物体。よく見ると後ろにも尻尾のようなものが付いている。

その様相はまごうことなき『猫』だった。

龍本「え、な…え?何、何だ、それ???」

伊武「びっくりしますよね、そりゃあ…」

恥ずかしそうに帽子で顔を隠す伊武。感情に合わせて耳がピコン、と動いている。

伊武「原因は俺にも分かりません。それに…こんなの、見られたら恥ずかしいじゃないですか」

龍本「…それで…休んでたのか」

伊武「はい」

聞きたいことや突っ込みたいところは山ほどあるが、原因すら分からない以上、そんなことを聞くのは野暮かもしれない。

龍本「…」

それでも最低限、これだけは知っておきたい。俺は伊武に近付くと、その耳にそっと触れてみた。

伊武「あ…っ」

しばらく触り続けた。

龍本「作り物…じゃなさそうだな。触られたって感覚もあるみてぇだし」

伊武「っ…だから、言ってるじゃないですか…!」

それまで下を向いていた伊武が顔を上げる。頬を染め、目まで潤んでいた。

龍本「!…」

その表情に、どうしようもなく誘われる。

龍本「っ…それは反則だわ」

伊武「はっ…?」

龍本「わり…ちょっと体貸せ」

伊武「!っ…やめ…!」

もう我慢が効かなくなった俺は伊武を押し倒して、その耳に更に激しく触れた。

伊武「はぁっ…んん…!!」

龍本「これだけで感じんのか?(やばい、これ以上は…抑えられねぇとっ…!)」

伊武「嫌っ…嫌です…!やめて下さいっ…!!!兄貴…!!」

龍本(く、くそがっ…かわいい…!)

伊武が必死に拒否を口にしている。耳を触られる快楽から逃れたいからだろうが、それは余計に俺を悦ばせるだけだった。

龍本「あー…、もう…無理だわ…」

伊武「えっ…」

俺は伊武の下着を脱がすと、一気に奥に挿れた。




ENDです。いいね500来たら続き書きます。

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