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15 - 第13話:小さな支持者たち

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2025年12月20日

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第13話:小さな支持者たち
追放処分が検討されたその翌日、クオンは市民区の裏通りを歩いていた。

広場の大画面では、国家による「未来修正報告」が流れ、明るい音楽に合わせて「今日の秩序」が宣伝されている。

子どもたちは笑い、親は安心した表情で端末にサインをしていた。

社会全体が「上書き=正義」に酔っている中で、クオンの姿は異物のように浮いていた。


その背後から声がした。

「……あなたがクオン?」


振り返ると、三人の若者が立っていた。


先頭に立つのはリサ。

肩まで伸ばした黒髪を束ね、眼差しは鋭い琥珀色。

小柄だが姿勢は堂々としており、モカのシャツに茶色のロングコートを羽織っていた。

額の第三の眼は微かに光っていたが、力は弱いようだった。


その隣にはトーマ。

背が高く、筋肉質な体格に緑の作業服を着ていた。

短く刈った髪は深い茶色、瞳は灰色で、第三の眼はまだ幼い光しか放っていなかった。

彼は腕を組み、警戒心を隠そうともしなかった。


もう一人はミナ。

栗色の髪を三つ編みにし、緑のスカートに灰色のカーディガンを纏った少女。

彼女の第三の眼はほとんど光らず、トピオワンダーとしては未熟に見えた。

しかしその瞳は澄んでいて、強い好奇心を隠していなかった。


「国家はあなたを“秩序を乱す異端”だと言ってる。」

リサが低い声で告げる。

「でも、私たちは知ってる。あなたが救った命の話を。……消えたはずの少年を戻したって。」


トーマは眉をひそめる。

「だが、そのせいでシステムは歪んだ。俺たちの暮らしが崩れる危険だってある。」


ミナが一歩前に出る。

「でも……私たち、信じたい。

“命は守るべきものだ”っていう、あなたの正義を。」


クオンは三人を見つめた。

灰色の瞳に揺らめくのは驚きと、わずかな安堵だった。

「……こんな社会で、その言葉を口にするのは危険だ。」


リサは口角をわずかに上げた。

「危険でもいい。私たちは、もう“造られた未来”に従うだけの市民じゃない。」


広場の方からは、国家の宣伝音声が響き続けていた。

「未来は必ず管理できる。秩序は我らに従う。」

市民の多くはそれを疑わない。

だがこの小さな路地裏で、クオンの正義に耳を傾ける者たちが現れた。


クオンは静かに頷いた。

「……お前たちの覚悟、受け取ろう。」


灰色の瞳が柔らかく光った。

孤独だった旅に、ほんのわずかだが光が差し込んだ瞬間だった。





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