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#狂愛
柏木さくら
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臣桜
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90
陸斗は緑に話した。
これまでのいきさつや、結婚の理由を。
だが虚言癖のある陸斗のこと、緑への愛を語った以外は事実ではない。
陸斗の頭の中で組み立てたストーリーは、まるで自分がはめられたような恋愛
と、結婚をしたような話だ。
後継も成り行きで 自分の意思ではなかったが、頼まれたら断れなかったと。
緑は一見 落ち着いたかのように見えたが、
「なんだかまだ頭の中がごちゃごちゃしてて、冷静に考えられない。とにかく、今日は帰る。暫くは連絡してこないで。私もしないから」
そう言って部屋から出て行った。
(まいったな…)
陸斗はグシャグシャッと頭を掻きむしった。
ー帝王病院ー
廊下を歩いている小島を見つけると、陸斗は急いで駆け寄り、小島の手を引っ張って男子トイレの中に連れ込んだ。
「な、なに…どうしたんですか!」
驚いた顔の小島に陸斗は小声で言った。
「おい、約束が違うじゃないか。
あれ程言っておいたのに…」
「何がですか? 僕、何も言ってませんよ。何を焦ってるんですか。
何か…あったんですか?」
陸斗はハッとした。緑にバレたとは言えない。
「香坂先生こそ、ちゃんと話しておいてくださいよ。陣ノさんと付き合っているってこと」
陸斗は驚いて目を見開いた。
「知ってんの!?」
小島は自分の口に人差し指を立て、陸斗にシーッと言った後、小声で話しだした。
「昨夜の当直の日、陣ノさんも夜勤だったんですよ。珍しくバタバタした日じゃなくて。彼女、座ってスマホを見てたんです。そしたら看護師長さんに呼ばれて、陣ノさん、慌てたらしく 立ち上がる時にスマホを床に落としちゃって…で、僕が拾ったんですが、お2人のLINEのトーク画面が開いてて…
すみません、見ちゃいました」
陸斗は あちゃー、と額に手を当てた。
「えっ、でもそれがなぜ彼女に俺が結婚してるのがバレたことに繋がるの?」
「えっ、バレたんですか?」
マズイ!と陸斗は自分の口を塞いだが 時、既に遅しだった。
「その後 戻ってきた看護師長さんが、僕に声をかけたんですよ。『小島先生、もう香坂先生から引き継ぎはされたんですか? …香坂先生、青井クリニックの後継者になられるんですってね。香坂先生の奥様は院長のお嬢さんですものね。逆玉ってとこかしらね』とまで付け足して。恐らく一緒にいた陣ノさん、その話を聞いてしまったんじゃないですかね。流石に僕も驚きました」
陸斗は心が痛かった。
‥が、話を聞いた緑は もっと心を痛めただろう。
そう思うと、バレた事実より 心を痛めた緑を思い どうしようもなく辛かった。
コメント
1件
ああ〜第25話読み終えたよ…!😭💦 陸斗の嘘、緑にバレちゃったね…。しかも小島先生との会話で知った経緯がまた切なすぎる😢 緑が「暫く連絡しないで」って言って出て行くシーン、グッときたよ…。あの時の緑の気持ちを思うと胸が苦しい。陸斗も最後に「心を痛めた緑を思いどうしようもなく辛かった」って…もう、二人とも辛すぎるよ〜😭💔 次どうなるのか気になって仕方ない!!