『神さまは意地悪だ』
それは、高橋葉月の人生哲学の、根幹をなす言葉だった。
――いったい、なにが起きたんだろう?
目が覚めた場所で、葉月は戸惑っていた。
けれど、そこが、自分が小学校時代を過ごした教室だと気づいた時、最初に彼女がしたことは、忘れ得ぬ親友の姿を探すことだった。
――美緒ちゃんっ!
夢にすら、ただの一度も出てきてくれない少女の姿を、ここならば、もしかしたら見つけられるかもしれないと思ったから。
夢でも構わない、と教室の中をぐるぐる、ぐるぐる、視線をさまよわせる。けれど、いない。
――どうして……、どうして、いないの……? あっ!
そこでようやく、葉月は気がついた。美緒がいない理由、それは、すごく、すごく簡単なことで……。
その教室は五年生の教室であり、美緒が学校に来なくなったのは、この年の春からだったから。三月の春休み前、最後の登校日に、葉月が、*********
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