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榎本くもり
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第三話「英雄の弟子」
防衛軍本部。
神城怜は突然ケイトに呼び出されていた。
「隊長……何でしょうか。」
ケイトは真剣な表情で言う。
「今日から、お前の修行相手が決まった。」
神城怜は少し嬉しそうな顔をする。
「本当ですか!」
「誰なんです?」
ケイトは静かに答えた。
「古流斬だ。」
……
神城怜は固まった。
「…………え?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
思わず大声を上げる。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「えっ!?あの古流斬さんですか!?」
「英雄の!?」
「ユーマ隊長のお父さんの!?」
ケイトは苦笑した。
「ああ。」
「本人だ。」
神城怜は頭を抱える。
「無理です……。」
「緊張で死にます……。」
「僕なんかが……。」
ケイトは肩を叩く。
「だから頼んだ。」
「お前に必要なのは、あいつだ。」
⸻
一方その頃。
地獄。
古流斬は縁側でお茶を飲んでいた。
はるかが笑う。
「今日来るんだよね?」
「ああ。」
その時。
転移魔法が展開される。
ケイトと神城怜が現れた。
神城怜は古流斬を見た瞬間、背筋が伸びる。
(本物だ……。)
(本当に古流斬さん……。)
(世界を救った英雄……。)
古流斬は笑う。
「そんなに固くなるな。」
神城怜は慌てて頭を下げた。
「よ、よろしくお願いします!!」
古流斬は少し困ったように笑う。
「俺は先生なんて柄じゃない。」
「気楽に来い。」
しかし神城怜は顔を真っ赤にする。
「無理です!」
「尊敬してますから!」
横で見ていたはるかが吹き出す。
「ふふっ。」
「古流斬、完全に憧れられてるね。」
古流斬は頭を掻く。
「……困ったな。」
ケイトは笑いながら言う。
「まあ、そのうち慣れるさ。」
その時だった。
地獄の奥から大きな笑い声が響く。
「ガハハハハ!」
閻魔だった。
「古流斬!」
「弟子第一号じゃの!」
古流斬はため息をつく。
「弟子って決まったわけじゃない。」
閻魔は神城怜を見る。
「頑張れ。」
「こいつは厳しいが、誰より面倒見はいい。」
古流斬は照れくさそうに言う。
「余計なこと言うな。」
神城怜は思わず笑った。
(英雄なのに……。)
(思ってたより普通の人だ。)
その瞬間、少しだけ緊張が解けた。
古流斬は立ち上がる。
「じゃあ始めるか。」
「神城怜。」
「まず、お前がどれくらい戦えるか見せてみろ。」
神城怜は深呼吸をした。
「……はい!」
こうして――
英雄と、新たな継承者の修行が始まった。
第三話 完
コメント
1件
うわあ、ついに英雄・古流斬さんが登場したんですね!しかもまさか神城の修行相手として直々に指導する流れになるとは…。冒頭で「無理です緊張で死にます」って慌てふためく神城の様子がすごく可愛くて、でも英雄側も「先生なんて柄じゃない」って照れてるところにギャップ萌えしました。閻魔様の「面倒見はいい」というフォローも温かいですし、英雄と新米の距離感が少しずつ縮まっていく感じがいいですね。次回、実際の修行シーンがどう描かれるのか楽しみです!