テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
番外編66『性格がコロコロ変わる薬を被ってしまった』
ある日のこと、デビルズパレス。
コンコンッ。
『ごめんなさいねルカス、いつもの薬あるかしら。』
『主様、痛み止めですね。今用意します。』
『ありがとう。ん?この薬は?』
『これですか?私にもよく分からないのですが性格が変わる薬です。とある本に書いてあったんですよ。気になって作ってみました。 』
『好奇心が旺盛ね……。』
『はい、こちらです。』
『ありがとう。』
薬の瓶を受け取り、部屋から出ようとした。
その時――。
ガッ!
『え?』
落ちていた本に足を躓いてしまう。
ガシャーンッ!パシャッ!
テーブルに倒れてしまい、薬を被ってしまう。
『あ、主様ー!!』
『げほ、げほっ!』
『申し訳ございません!大丈夫ですか!?』
『……。』
『あ、主様?』
『あ……?んだよ、何見てんだよ。』
『おっとこれは…。』
デビルズパレス 食堂
『つまり、ルカスの作った薬を浴びてこうなった。と。お前…。』
『そ、そんな怖い顔で見ないでくれよ…。悪かったって。今の主様はオラオラ系の主様だね。』
『チッ。変な薬作りやがって。』
『主様のそんな顔みたくなかったっす…。』
『これ効き目はどれくらいなんですか?』
『1日すれば元に戻るよ。1時間ごとに変わるみたいだから…。』
『つまり明日までこのままか……。』
『おい。』
『ひっ!』
『腹が減った。飯出せよ、飯。』
『は、はい!』
『ん…悪くねぇな。』
『よ、良かったです…。』
『お姉ちゃんやさぐれてる…。』
『あ?うるせぇぞ、百合菜。』
『主様、デザートのガトーショコラもありますからね。』
『気が利くじゃねぇか。好物も作ってるなんて。』
『主様の執事として当然です!』
『ありがとな。』
ロノの頭を撫でる。
『っ…///』
(口調と性格が変わっても主様は主様だな…。)
『ご馳走様。』
『お粗末様です!』
『う…っ!』
『主様!?』
『どうかなさいましたか!?』
『……。』
『もしかして、1時間経ったから…。』
『別に、何も無いんだからね。』
『ツンデレ系主様だ…!』
『ふんっ。何見てるのよ。私は部屋に戻るわ。着いてこないでね。』
私は席を立ち部屋に戻る。
『…なんで誰も来ないの!』
(ツンデレだな……。可愛い…。)
主様の部屋
『主様、何かして欲しいことなどありませんか?』
『と、特にはないんだからね。居てくれるだけでいいわ。』
『そうですか…。あ、そしたら食後の散歩でもいかがですか?』
『そ、そうね。行くわ。』
『では行きましょう。』
庭
『天気がいいですね…。』
『そうね。お散歩日和だわ。』
『ふふっ。』
『な、なによ。』
『いえ、主様と散歩出来て嬉しいなと。』
『な…!別に私は喜んでなんかないんだから!』
『ふふ、分かってますよ。』
『じゃあそのにやけ顔やめて。』
さらに1時間後――。
『フェネス、ここがいいんでしょ?もっと…気持ちよくしてあげるわね。』
『あ、主様、勘弁してください…。』
『ちょわー!!何してんすか主様!』
書庫に入ると主様がフェネスさんを押し倒していた。
『何って…意地悪、かしら?』
『これは……意地悪系主様っすね…羨ましいっす…じゃなくてー!』
『顔が赤いわよ?ほら…もっと見せて?』
『主様……っ。』
『フェネスさんダメっすよー!』
『何してんだアイツらは……。』
更に1時間後――
『ハナマルはいつも頑張ってるわね。よしよし…。お姉さんが慰めてあげる。おいで。』
『主様がそういうなら…甘えちゃおっかなー?』
『許しませんよ!こんな怠惰な貴方にそんなこと!』
主様の膝に横になろうとするハナマルさんを必死に止める。
『ユーハンさん落ち着いてください!これは…お姉さん系主様ですね……。』
『ユーハンも、ほら、おいで。お姉さんがなでなでしてあげる。』
『うぐ…っ。』
更に1時間後――
『ロノお兄ちゃん!これ、どうやるの?』
『うぐ!』
※お兄ちゃん気質のロノには大ダメージ
『これは、妹系主様ですね…。』
『可愛すぎますね……っ。ベリアンさん…。』
『はい、もうこのままでもいいくらいです。』
『それはそれで困るだろ…。』
『『困りません!\困らねぇ!』』
『はぁ……。』
更に1時間後――
『……。』
『これどういう状況?』
『知らん。こやつがくっついてきたんだ。』
『どんな性格なんだろこれ…甘えた系?』
『シロ…ぐすっ。』
『泣き虫系…かな?』
『ひとりにしないでよ…ぎゅーして…。』
『はぁ…まるで赤ちゃん返りだな。』
『ふふ、可愛いじゃん♡』
更に1時間後――
『今話しかけないで。』
『おっと、これはクール系かな?』
『そうみたいですね…。』
『クール系の主様もいいですね、ルカス様!』
『昔の私みたいだなぁ……。』
『うるさいわよ。本に集中出来ないでしょ?』
(うん、昔の私だなぁ。)
更に1時間後――
『ミヤジ、この激辛スープもっと辛くしてもいい?』
『辛くしてどうする気だい?』
『妹にあげるの!』
『狂気系です!狂気系主様です!!』
『クフフ、普段の主様なら絶対しませんね。』
『主様、それは可哀想だからやめておこうか?』
『( -᷄ ε -᷅ )チェッ』
なんやかんやあり、次の日――
『何か、悪い夢を見ていたような気がするわ…。おはようみんな。』
『……。』執事一同
『え?何があったの?』
『主様、しばらくはフェネスさんに近づいちゃダメっすよ。襲いかねないっす。』
『っ……。』
『え、おそ…?』
『覚えてねぇのか…これはしばらくゆすれるな。』
『主様をゆすろうとするな、ボスキ。』
『私一体何を……。』
私はキョトンっと首を傾げる。
めでたしめでたし……?
ぷち
220
56
コメント
3件
え、お姉さん系あるじ様刺さる、しかもユーハンも対抗できなくなってるし、妹系も良いな、後やさぐれてるの所めっちゃ面白かった、
あらためて読んだけど、この回めっちゃ面白かったわ!オラオラ系からツンデレ、意地悪、お姉さん、妹、泣き虫、クール、狂気…って1時間ごとにコロコロ変わる主様、どのパターンもキャラ立ってて笑った。特にロノが「お兄ちゃん」って呼ばれて大ダメージ受けてるところと、フェネス押し倒しシーンはガチでウケた。最後にみんなが「ゆすれる」って言ってるのも含めて、番外編ならではの緩さが最高だったわ。ぷちさん、こういうギャグ回も安定して面白いね🔥