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かんな
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sora☁️🌺
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コメント
1件
ああもうもうもう!!このシーンエモすぎて泣ける😭💕 真理子さんが柊吾を一瞬「誰?」って見たとき、心臓ぎゅーーってなったよ…『忘れていく』恐怖が、読んでるこっちにもひしひしと伝わってきて、自分も一緒に震えちゃった。そんな極限状態で、最後に瑞樹さんに連絡する柊吾の切なさったら…!でもすぐ電話がかかってきて、本当にホッとしたよ😢✨ かんなさんの描く家族のリアルな葛藤と、それでも人を求める温かさが沁みる…。この先もずっと応援してる!!
「……あら。どちらさま?」
「えっ?」
ソファに腰掛けていた真理子が、不安そうに眉を寄せて柊吾を見上げていた。
「……母さん?」
「あなた、だれ? どうして此処に居るの?」
「……っ」
ピタリと、柊吾の足が止まった。
部屋の中の空気が、一瞬で凍りつく。真理子の瞳には何の企みもなく、ただ本気で『目の前にいる不審な男』に怯えていた。
「やだなぁ。母さん……僕だよ。柊吾だよ」
「……しゅうご……? あ……あらやだ、ごめんなさい! 柊吾じゃない! なんでかしら、一瞬だけ分からなくなっちゃって……」
次の瞬間には、真理子はいつもの人懐っこい笑顔に戻っていた。自分の勘違いを照れくさそうに笑い、お茶を淹れようと立ち上がる。
けれど、柊吾はその場から一歩も動けなかった。
頭の中が真っ白になる。全身の血が足元から引いていくような、猛烈な恐怖が襲いかかってきた。
忘れていく。母の中から、自分が消えていく。
知識としてはわかっているつもりだった。いつか進行する病気なのだと、頭では覚悟していたはずだった。でも、まだ遠い未来の話だと思っていた。いや、そう思い込みたかっただけかもしれない。
いつか本当に、完全に忘れ去られてしまう日が来る。その残酷な未来の予兆が、くっきりと目の前に突きつけられたのだ。
足がガクガクと震える。膝の力が抜けそうになるのを必死で耐えるが、喉の奥が引き攣り、うまく息が吸えない。誰かに縋りたかった。この押し潰されそうな恐怖と絶望を、誰かに受け止めてほしかった。
どうしよう。……怖い。
突然暗闇に一人放り出されたような心細さに襲われ、手に持っていたスマホをぎゅっと握りしめた。冷たい画面の感触だけが、かすかに現実を繋ぎ止めている。
脳裏に浮かんだのは、たった一人の顔。
どんな時も穏やかに笑い、自分と母をあたたかく支えてくれたあの姿。どれだけ疑い、遠ざけようとしても、心の一番深い場所が彼を求めて叫んでいた。
「……っ」
柊吾は逃げるように自室へ駆け込み、扉を閉めた。暗がりの中で震える指先のまま、スマートフォンを握りしめる。
一週間ぶりに開いたトーク画面。最後に冷たく「距離を置きたい」と告げて以来、画面は止まったままだった。
自分の都合で突っぱねておいて、今さら助けを求めるなんて虫が良すぎる。瑞樹が自分を見る目が『朝倉奏』への幻想かもしれないという恐怖も、消えたわけではない。それでも、一人でこの闇に耐え続けることは限界だった。
『黒瀬さん、今、大丈夫ですか?』
掠れた文字を打ち込み、送信ボタンを押す。指先が情けなく震えていた。
画面を見つめたまま、呼吸を整えることすらできない。拒絶されたらどうしようという不安と、どうか助けてほしいという切望が胸の中で渦巻く。
わずか数秒後。
返信の文字が踊るより早く、画面上部に『着信』の表示が浮かび上がった。