テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
希望の曖昧』
第二章 七つ大罪編
第三十一話「停止を超える者」
西地区。
怠惰の能力「停止」により、防衛軍は動きを封じられていた。
ジョトも、ネイトも、アキノリ亡き後の隊員たちも、ダッドも、ドックも思うように戦えない。
古流斬も「曖昧」を発動しようとするが、能力が止められる。
「くそ……。」
古流斬は歯を食いしばった。
⸻
例外
しかし、その中で二人だけが前へ出た。
「……なるほど。」
ラントが静かに剣を抜く。
その隣で、ケイトも光をまとい始める。
怠惰は少しだけ目を開いた。
「まだ動けるのか?」
⸻
ケイトの考え
ケイトは静かに言う。
「能力が止められるなら。」
「止められる前に超えればいい。」
聖天光が全身を包み込む。
光はさらに輝きを増し、地面が震える。
「俺は光を超える。」
次の瞬間。
ケイトの姿が消えた。
怠惰の目が初めて大きく開く。
「速い……。」
⸻
ラントの神速
一方、ラントも能力を発動する。
「ワープ。」
一瞬で怠惰の背後へ移動。
「そして――」
剣を構える。
「神速斬。」
通常の斬撃ではなく、ワープと斬撃を極限まで組み合わせた必殺技。
停止が追いつく前に、一撃を放つ。
⸻
怠惰の驚き
怠惰は後ろへ飛び退く。
制服の肩がわずかに切れていた。
「……当たった。」
怠惰は傷口を見つめる。
「停止を突破したのか。」
初めて、その表情から余裕が消える。
⸻
戦える者
ネイトが分析する。
「分かった!」
「怠惰の停止にも限界がある!」
「能力が及ぶ前の速度なら突破できる!」
しかし、それができる者は限られていた。
ラント。
ケイト。
この二人だけだった。
古流斬は悔しそうに拳を握る。
「俺じゃ……届かない。」
⸻
怠惰の笑み
怠惰はため息をつく。
「やっぱり。」
「少しだけ面倒になった。」
そう言いながらも、不敵な笑みを浮かべる。
「でも、二人だけなら問題ない。」
「本気を出そうか。」
怠惰の周囲に黒い力が渦を巻き始める。
能力最強の七つ大罪と、防衛軍最強の二人。
決着の時が近づいていた。
――第三十一話「停止を超える者」 完
コメント
1件
うわっ、31話、めちゃくちゃ熱かったですね!「停止」という絶対的な能力に対して、「止められる前に超える」っていう発想の転換、痺れました。ケイトの「光を超える」って台詞と直後の消失、そしてラントのワープ+神速斬のコンボ……二人の覚悟と強さがガツンと来ました。一方で、古流斬さんが「届かない」と悔しがる描写がまた心に刺さりますね。能力の限界と突破条件が明確に示された、とても整理された戦闘シーンだったと思います。次が気になりすぎます!
古流斬
2,542
87
チタコロ
323