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古流斬
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チタコロ
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二章 七つ大罪編
第三十二話「曖昧のかけら」
西地区。
怠惰の「停止」により、防衛軍は追い詰められていた。
戦えているのはラントとケイトだけ。
このままでは勝機はない。
古流斬は静かにポケットへ手を入れた。
「……使うしかない。」
⸻
曖昧のかけら
古流斬が取り出したのは、小さな灰色の結晶だった。
ケイトが驚く。
「それは……。」
古流斬はうなずく。
「曖昧のかけら。」
「俺の能力を少しだけ封じ込めたものだ。」
そう言うと、結晶を怠惰の足元へ投げた。
パリンッ!
結晶が砕ける。
その瞬間、灰色の霧が戦場全体へ広がっていく。
⸻
曖昧の領域
世界が少しだけ揺らぐ。
地面も、空気も、距離も。
すべてがわずかに曖昧になっていく。
怠惰は眉をひそめた。
「……これは。」
古流斬は静かに言う。
「この空間では、お前の『停止』も曖昧になる。」
「完全には止められない。」
⸻
効力低下
ネイトがすぐに分析する。
「停止の効力が落ちている!」
ジョトが拳を握る。
「体が動く!」
ダッドも前へ出る。
「これなら戦える!」
アキノリ亡き後も戦意を失っていない隊員たちも、一斉に武器を構えた。
⸻
例外
しかし、一人だけ動けない者がいた。
第六番隊隊長・ドック。
ドックは悔しそうに歯を食いしばる。
「くっ……。」
ネイトが叫ぶ。
「停止の基準は下がった!」
「でも、ドックの戦闘速度では、まだ停止の影響を受ける!」
ドックはうつむく。
「足手まといか……。」
ラントは振り返らず言った。
「違う。」
「お前には、お前の役目がある。」
⸻
総攻撃
ケイトが光をまとい、ラントがワープする。
ジョトはコピー能力を発動し、ネイトは自然を操って戦場を支援する。
ダッドは反射能力で味方を守る。
古流斬は曖昧の領域を維持しながら、仲間たちを見つめる。
「これで……全員が戦える。」
怠惰は初めて小さく笑った。
「なるほど。」
「少しは面白くなってきた。」
黒い力がさらに膨れ上がる。
戦いは、いよいよ本当の激戦へと突入する。
――第三十二話「曖昧のかけら」 完
コメント
1件
「曖昧のかけら」、すごく好きな展開でした……!古流斬さんが静かに決断したあの灰色の結晶、一瞬で戦場の空気が変わった感じがして、ゾクッとしました。それでいて、ドックだけが動けないもどかしさを残すところが、作品の誠実さだなあと。ラントの「お前にはお前の役目がある」、あの一言に胸が熱くなりました。全員が完全じゃないからこそ響く、いいチームだなって思います。