⚠は第1話
「」→頭の中、またはナレーション
「」→セリフ
第3話
ない
見つからない
兄の目を治す方法が何処にも載ってない
マニュアルにも
図鑑にも
医療本にも
全然書いてない
なのに色はどんどん変わってく
真っ赤な花から今じゃピンクの花だ
俺の事など待ってくれない
「なぁ…ヴェスト…最近疲れてるんじゃないか?」
兄が話しかけてくれた
誰が原因だと思ってる
「しっかり休めよ…?」
兄が、そう言うと苛立ちが湧いてきた
「誰のせいだと思ってる!」
声を荒らげてそう言った
「ヴェ…ヴェスト…?」
そんな俺を兄は悲しそうに見つめている
違う
こんなつもりじゃなかったんだ
貴方にそんな顔をさせるために
俺は調べてるんじゃない
「…ヴェスト…ごめんな…俺様邪魔したよな…分かった、黙ってるから…」
兄さんは心配してくれてるだけだったのに
声を荒らげたのは俺なのに
なぜ…貴方が謝るんだ?
自分が情けない
ごめん、ごめんなさい兄さん
でも、わかってくれ
貴方の事を治したいんだ
医者じゃなくていい
俺が治してやりたい
今までの恩返しとして
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