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ハルは梅雨の間、町に滞在し、ノアの花屋に頻繁に顔を出す。紫陽花やアジサイのアレンジを手伝ったり、客にメイクのコツを教えたり、ハルの存在で店は一気に華やかに。ノアはそんなハルを見ながら、変わらない優しさと、時折見せる遠い目に気づく。 ある雨の夕方、閉店後の花屋で二人はハーブティーを飲みながら話す。ハルがぽつりと呟く。
「ノアちゃん、あたしさ、恋愛ってよくわかんないのよね。ゲイだってオープンにしてるけど、心から繋がれる人って…そう簡単には見つからないの」
ノアはハルの言葉に胸が締め付けられる。ハルがゲイだと知っているし、恋愛対象が男性だとわかっている。でも、ノアの心には抑えきれない想いが溢れていた。
「ハルは…ハルのままでいいよ。どんなハルでも、わたしには大切な人だよ」
ノアのまっすぐな言葉に、ハルは扇子で顔を隠して笑う。でも、その目は少し潤んでいた。